第29章 田中隊
恵土「その内
繰り出す相手からの攻撃に対して
同じような経験から
すぐにどういう風に対応したか
そして、新たな打開策を考え付けるよう頭を働かせる。
それと同時に、体で
考えついた打開策、または経験上やってきた動きを現せるようにするんだ!
動きを身に付ける際でも
身につけたいパターンの動きを繰り返せば繰り返すほど
その動きはより早まっていく。
学習ってのと同じだ。
一つの問題を何度も繰り返す内、自然と覚え
見た瞬間から、即座に答えを言えるのと同じように
体でもまた、同じように動きを体現するまでが早まる。
無駄な経験なんて、この世に一つとしてない。
無駄にしてはいけないと思え!!」
『了解!』
太刀川「俺は、戦いが大好きだ!!^^
恵土も同じだから強くなったんだろ?」
恵土「いや。私は昔、戦いが嫌いだったんだ。
人の痛みで苦しむ声が発していなくとも
サイドエフェクトで見えて聴こえたから、なおさらに……
それでも
それで動かなかったら何も変えられないって解った…
だからこそ、必死に鍛えこんできたんだ…
苦しませる間もなく、痛みを感じさせる間もなく
圧倒的に目に映らない速度で倒し、気絶させるほどの力を身につけられるようになるまで…
でも、間に合わなければ
結局、護り抜くことだってできない。
村人たちを皆、本当に護りたいんだったら
村人たちにも、私と同レベルになるぐらい叩き込んでいればよかったんだ…
そうすれば、きっと…
死なずに済んだんだ……
戦いこそが、勉学よりも何よりも大事なことだ!!」
『え?;』
恵土「もし強盗にあったら?
もし車が当て逃げしてきたら?
もし地震で窓ガラスが降ってたら?
そんな時…
役に立つのは勉学なんかじゃない…
戦いで身につけた経験が無ければ
受け身も取れない!戦えもしない!
その命を護り抜くことなんて出来ない!!」
そう呟かれる中、
『ああ、そういうことを言いたいのか』と納得する二人
だが、次の言葉で状況が一変する…