第29章 田中隊
恵土「!!」
驚く恵土をよそに、秀次は抱き締める力を強めた…
秀次「怖がってもかまわない。
恐怖に陥ることがあっても、俺がそれごと受け止める。
いつだって、どんな時だって受け入れる。
お前が、何度も救い続けてきたように…
そうやって、俺を引き戻し続けてくれたように……
だから、どれだけ感情に溺れることになっても
お前を望む奴が、ここに居ることだけは忘れるな。
そんなお前を、それごと愛している人がここに居る。
そんなお前と、死ぬまで共に過ごすことを望む人がいる。
どんなお前でも…
それごと、一緒に居たいと俺は思ったんだ。
だから…
そんな風に自分をとぼすめるな。
悩んでるならぶつけたっていい。
苦しいなら抵抗して殴ってきたっていい。
頼むから…
自分で自分を押しつぶすような真似だけはするな。
人の為にはならないんだよ、そういうのは。
お前が、護られて殺されて苦しみ続けている事から解るように
昨日のように、生きて帰ってこないと意味がない。
本当の意味で護ったってことには絶対にならない。
それだけは頭に入れとけ。
お前に傍に居て欲しいと願う人が…
お前を世界よりも大事に想う存在が、ここに居ることもな(ぎゅうう」
抱き締める力を強めながら
秀次の両肩に両手を当てて突き放そうとしていた恵土を
その両手所か両腕ごと、秀次は抱き締めた。
恵土「………」
秀次「頼むから、死ぬな」
恵土「…解った…誓うよ」
秀次「!」
恵土「お互いのために繋がるって、今考えて解った。
でも…
そんなに深く考え込まなくていいっていうのなら…
ありのままの自分として向き合っていいっていうのなら…
昔みたいに、自分を解放させてもいいのかな?;(涙目」
秀次「頷)ああ」
恵土「押さえ込んでた分
大暴れになっちゃうと思うけどいいのかな?;(涙」
秀次「頷)ああ」
恵土「絶対に迷惑かけまくって;」
秀次「大丈夫だ。
俺が、傍に居る。
絶対に離れていかない」
不安そうにつぶやく中
それを打ち消すように言いながら抱き締める力を強めた