第28章 想い
恵土「結局…
大した人を助けることも出来なかった…
私が関わったせいで殺された人間の方が、よっぽど多い…」
そう言いながら、思い出していた…
(184,560ページ参照)
恵土「村人たち、総勢328人が殺されたし
他にも渡った近界の先々でも親しくなった人が殺された。
味方もいなければ助けてくれる人もいない。
触れた血から殺された現場が見える。
どれだけ気を回そうが
どれだけ大切にしようとしようが
おせっかい呼ばわりされるだけでおしまいだ…
こんな世界にはもう、絶望しかない…
そんなこんなで、人に呼びかけられても
自分じゃなく周りの人だって思って返答しなくて無視みたいに言われたり
人に話しかけることができなくなったり
殺されてしまえばって感じに言われることだってあるさ…
実際、生きてる価値なんて自分にはないって思ってた。
私が存在したせいで…
悪いことをした人にさせてしまったし
その分、悪いってのが増してしまったんだからさ(ずーん」
暗い瞳のまま、凄く沈んだ眼を見せる恵土に対し…
木虎「それでも!
私は、その恵土先輩の言うおせっかいのおかげで助かりました!
私が悪く言われてる時だって、自分よりも怒ってくれて
自分のことのように…
いえ、自分よりも大事に想ってくれて
真っ直ぐに向き合ってくれて、きちんと聴いてくれて
助けて欲しい時には、いつだって駆けつけてくれて…
私はいつだって、恵土先輩のおかげで救われたんです!!
あの時、見せた厳しさだって生存率を上げるためだったんでしょ!?
何で恵土先輩が今のようになってしまったのかだって
少なくとも、ここにいる人たちは解ってます!!
数え切れないほどの傷を負って
それでも今、私たちと一緒に生きたいって思っているのだって!(涙目)
だから…
お願いだから、自分に生きている価値なんてないように言わないで下さいっ…;
私は、その恵土先輩が生きているから
とても楽しかったんです!!;(涙)
恵土先輩がいるから!!!;
今が、とても幸せなんです!!!!;;(泣き震え」
涙と共に語り、縋りつくように抱き締めてくる木虎…
それに恵土は…