第28章 想い
ひざまずいたままの中
突如として光と共に現れた「日本刀」…
それを握り締めながら
襲い掛かってくる、人の形をした「過去の闇」と「自責」を切った…
その中…
その当時の感情や過去の出来事までは切り捨てられないことを
先程、身をもって思い知ったことが脳裏によぎる…
それでも…
恵土「戦え!乗り越えられなきゃ死ぬ。
過去は切り捨てられない。変わらない。
感情も全部、捨てたら二度と向き合えない。
再び現れた時、乗り越えることなんて出来ない。
そうすれば、何度も捨てなければいけないことになる。
何度も、失うことになる!!」
目の前に生み出した刀を取りながら、襲い来る闇
自責の念を切り裂き続けていく…
恵土「戦え!向き合うべきものと。
戦え!捨てちゃいけないもののために…
二度と、失わさせないために!!(真剣」
想いを込めながら、光と共に切り裂いていく…
恵土「思い出せ…
何を望んでいたのか!!
何を求めて、生き永らえ続けてきたのか…
何のために、強くなろうとしたのか!!!!」
その時、脳裏に死んでいった村人たち
仲良くしてくれた近界民たちとの日々がよぎる…
笑顔と、幸せに包まれた毎日が…
恵土「そうだ…
生きてさえいれば…
死んだ皆は…また何度でも、記憶の中で蘇る!!!!」
心痛だった…
自分のせいで殺されたことが…
許せなかった…
大事な人を、そのせいで失うことが…
それを踏み台にしてでも生きる価値なんて、私にはないって…
そう思って、自分を殺して
過去の自分の感情ごと切り捨てて…生きてきたんだ…
だから…
トラウマが思い起こされたり、フラッシュバックした時…
人の存在に対して、恐怖を抱いたり
哀しみや苦しみばかりが胸によぎっていたんだ…
恵土「生きろ!!
戦え!!この世で生きてきたと証明するために!!!
あの時が、なかったことにさせないために!!!!!
戦うんだ!!本当の意味で生きるために!!!」
零れ落ちていく涙と共に刀を握って
攻撃を避けながら、壁を踏み台にして跳んで振りかぶる…