第28章 想い
解っている…
好きだというのも…
友達として、掛け替えのない人としてのものだということも…
俺の抱くこの感情が恋だと知っても
護りたいと願うこの想いが、どのようなものだとしても…
笑って受け容れて
今まで通りに接し続けてくれるだろうことも……
だから、バレンタインの時
チョコをもらった時に、俺も返した時に想いを伝えても…
恵土「私には結婚する相手が」
風間「解ってますよ(微笑)
そういう反応が返って来ることも…
ただ、伝えたかっただけです(微笑」
恵土「そっか^^
蒼也…恋人にはなれないけれど
大好きだし、愛してるよ(微笑)
これからも、ずっとさ^^」
少し胸が痛みながらでも
伝えたかった、生きることを望む人はいることを…
それでも、心の傷は深すぎる…
だから、死にたくなることも解ってる…
それでも、生きなければいけないことを諭してくれた…
その恵土先輩だからこそ、生きていて欲しいと願っていた…
想っていた…
今も…愛していることも…
ヴォルフ『私にはいらない。
それよりも恵土の下へ行ってくれ!』
太刀川「よし!じゃあ俺から」
ガシッ!!
太刀川「?何だよ、風間さん」
(太刀川の肩を掴んで引き止める風間に対し
いぶかしげな顔をしながら尋ねた…)
風間「…悪いが、ヴォルフに渡してくれ。
力が足りないのはお前だ。
恵土の命を生き永らえさせ続けているのも、他ならないお前なんだろ?
だったら、「要らない」なんて言うな!
恵土のことだ…
また、人の為に使うつもりだろうが
たとえそれが恵土の望みだとしても、生き永らえるように尽力しろ!!
恵土のことを心から本気で想うのなら
恵土を生き永らえさせるように尽力しろ!!
「恵土を護る」と
闇に堕ちた始祖神との戦いの時に言ったのは誰だ!!??」
ヴォルフ『!!…
恵土が、そう教えたのか?』
トリガーを太刀川から取りながら
ヴォルフに押し付ける風間に問いかけるヴォルフ
風間「ああ。
お前の力として使え。
決して、あいつの命を絶やさせるな!!」
それほど真剣な表情で叫ぶ風間を見たのは
ここに居る皆には、初めての経験だった…