第28章 想い
秀次「!…何だ?」
暗闇の空間の中…
僅かな光から見えてきたもの…
それは…遠き過去……
秀次「姉さん…
父さんと母さんと兄さんはいつ帰って来るの?」
姉「…ごめんね…」
抱き締めてくる姉に、意味が解らなかった…
3歳から4歳になった後…
寒くなってきた、11月の頃…
三人は、家から姿を消した…
姉「大丈夫。
私が、護るから…
生き残ったのは、私たちだけしかっ…」
涙を流しながら呟かれていく言葉……
初めての葬式…
それは、雨の降る中…
父さんと母さんと兄さんの死骸が運ばれていった…
秀次「どこに連れていくの?
三人とも綺麗だよ?
生きてるよ、きっと!
眠ってて動かないだけだよ!
そうでしょ?姉さん!
姉さんもそう言ってよ!!」
そう言いながら、三人の棺が運ばれている中
それに参列しながらも、姉さんを揺する中…
秀次(…?
何で泣いてるの?
何で、皆こっちを見て悲しそうな顔をしてるの?
何で…生きてるって、誰も言ってくれないの?)
それから…
正月になっても、三人は帰ってこなかった…
それで
近所の子たちに、両親がいないのがおかしいだの
何だのと、俺のせいだとの好き勝手に言われ続けていた…
そんな中…
一人の人を見つけた…
2003年1月18日、公園で一人でいる人を…
最初は一目ぼれだった、ただただ一緒にいたかった…
そして…嬉しく感じて
強引に家に引っ張っていった…
一緒に居たいと思ったから…
同じ人がいるんだって、思ったから…
帰る場所が無くて、受け入れてくれる場所もないというのも同じだった……
こっちには、親戚もいなくて
受け入れ先もなかったから、余計にそう思った…
二人で生き抜くと決めたのが三人になった…
そこからだった…
沈みがちになってた家が、明るく温かく…
いつでも、笑顔で包まれるようになったのは……