第28章 想い

それから…

何があった？


恵土「秀次（微笑」

秀次「？」

顔を上げると、すぐそこにいた…


恵土「…帰るぞ^^」

何度でも左手を差し伸ばしてくれた…


何度でも、優しく温かく包み入れてくれた…


いつも…

真っ直ぐに、ぶつかってきてくれた…


明るく、誰よりも…本当に温かく…


秀次「頷）うん！^^」

頷きながら跳び付いても


それごと優しく抱き返して

満面笑顔で、いつでも迎え入れてくれる…



秀次「起きろよ…恵土…


帰るんだろ…」


ぱさっ

トリオン体の…

トリオン貯蔵区へ走っていった時、懐に入れていた写真が落ちる…


ぽとっ

それと共に、涙が零れ落ちる…


秀次「あんたが居てくれたから…

俺は、どんな目に遭っても笑っていられたんだ！！


…全部…あんたが居てくれたからっ…」


その言葉と共に、恵土の手を握る中…

言葉と共に涙と震えが出続ける…


秀次「あんたが…
生きる希望となってくれたから…
（満面の笑みを浮かべる恵土が思い浮かぶ）

俺は…俺たちは！！
（俺と姉が笑って過ごす場面が思い浮かぶ）

生き続けることができたんだ！！！」

涙が恵土へとかかる…


微塵も動かぬ中、恵土のトリガーが見える…


秀次「動けよ；…動け！！；

戦うんだろ！！？？
生きるために！！

ここで終わらせるんじゃないんだろ！！！！


頼むから…起きろ！！！！！」


魂と共に、たぎる想い…

心と共に叫びが響き渡り、反響する…


と同時に、密閉空間であることが分かったのだが

そんな事はどうでもよかった…


秀次「一緒に生きるんだ…

そのために強くなったんだろ！！」


その叫びと共に、トリオン体に

トリオンを集中させた時に出る、特有の稲妻がほとばしる…


その外では…

「数値、上昇！」

「信じられん…
たかが想いだけで、これほどまでに上がるのか？」

遠征艇で近界民たちが呟いていた…