第27章 未来への進撃
熊は死なず、生き延びていた…
その熊も護り抜き、トリオン兵だけを倒した…
その実績も、ボーダーには伝えられていた…
そうして再び、時は戻る…
教えを乞うため
玉狛支部に入ってきた男と向き合いながら…
目の前にいる秀次に対し
当時の自分を重ね合わせ、目を見開く恵土…
秀次「俺に…剣を教えろ!!!!」
必死に話すまいと胸ぐらを掴み
左手を右横の壁に当て、死に物狂いに叫ぶ秀次…
秀次「俺に、戦う力をよこせ!!!!!」
恵土「…どうしても」
その叫びに、うつむきながら呟かれた言葉に
秀次の動きは一時止まった…
秀次「!」
恵土「…どうしても、戦う力が欲しいか?」
秀次「…ああ!」
恵土「…護り抜くために使い続けると誓うか?(真剣」
暗闇の影の中、窓から光が差していた…
玉狛支部の廊下…
下から見上げるように、真剣な瞳で尋ねる…
秀次「ああ…
あいつらを斬れるのなら…
二度と、目の前で失うことが無いのなら…
俺は…何でもしてやる!!!(真剣」
しかし、少年は真剣な瞳で応える…
誓った想い、あの時の無念…
やるせなさ…怒り、悲しみ、痛み…
全てを、強さに変えて…
前に突き進むと決めたこと…
そのために、己を鍛え上げ続けると誓った…
その瞳から、そう感じた恵土は
恵土「いいだろう…
許可してやる。
何度でもここに来い!!」
秀次「当たり前だ!!」
目を見つめ合わせたまま、真剣な表情で叫び合っていた…
そして…
風月流を教わることになったが
その前に、アタッカーとしての武器を決めることとなった…
秀次「俺は、弧月にする」
恵土「?何でだ」
秀次「昔、お前に教わったからだ…
己の道を信じ、
折れず、曲がらず、真っ直ぐに貫き通す。
この刀には…
日本刀には、己の魂が宿る。
だから俺は、この剣で斬る。
近界民も、襲ってくる近界民も全てだ!」
恵土「そうかい…
やれるもんならやってみろ!」
秀次「ああ!!」
鋭く光る眼光…
戦いが今、火ぶたを切って落とされた……