第26章 映画
恵土「私自身は…
もう、何年も前に死んでいるのかもしれないな」
ごぉん!
恵土「いった!;何すんだよ!!;」
菊地原「何言ってんですか馬鹿らしい(溜息」
恵土「ひどっ!;
私の長年抱え込み続けてきた本音だぞ!;
お前らだから話したってのに!;(涙目」
菊地原「その死人が、たくさん助け出してくれたでしょ?
どんなにふさぎ込んでても、勝手に入っては助けに来て
いつだって笑って受け容れてくれたでしょ?
…それだけで十分、生きているって言えてますよ」
恵土「!」
頭を抱え込んでひざまずいてる中
その前へ歩き、ひざまずいて視線を合わせながら
言葉を紡ぎ出す…
菊地原「十分救われてるじゃないですか
(恵土の前へしゃがみ込む)
あんたも僕たちも。
(恵土の眼を見つめる)
自分のためには、そんなに気にしないくせに
人のためには気にしまくって、自分を潰れるまで追い込んで…
そんなこと、誰も望んでませんよ…
望んでいたら、無視したり拒絶したり…
やりようならいくらでもあるでしょ?
それでも…
(腕を首にまわす恵土が思い浮かぶ)
受け入れてくれたのが、あんただから
どんな態度をとっても、笑って
いつも通りに接してくれる、そんな人があんただから…
あんたと一緒に居たいって思った…
もっと色んなことやって
振り回されてもいいから…
(今までのバカげたやり取りや
温泉旅行や、節分での出来事が思い浮かぶ)
ただ…傍に居るだけでもよかった……
こう見えて、僕は結構楽しんでたんですよ?(溜息&苦笑)
無表情だったり迷惑そうな顔したり…
あんたは、そんなこと微塵も気にしないで…
笑っていられるようにって、頑張ってくれたじゃないですか…」
恵土「っ…(涙」
菊地原「だからほら…
ぱっぱと涙吹いて笑ったらどうですか?(微笑)
人を笑わせるのが趣味なんでしょ?^^(恵土の頭を撫でる」
あんたが、過去のせいで笑えなくなっているのなら…
笑えなくなってた時や苦しんで悩んでた時…
楽しい思いで一杯にさせて、笑わせてくれたみたいに…
笑わせてみたいと、なぜか僕は思ってしまった…