第26章 映画
恵土「ただの、勝手な決めつけだったのか…?」
『んー。さあ?
でも、あったにはあったよ?
けれど…それだけじゃなかったんだ^^
それだけにしかない幸せってのもあるって
昔、言ってたのと同じようにさ…
人それぞれで経験が違うように
幸せの基準も、常識の基準も違うって…
私は、そのおかげで存在し続けることができたんだよ?
おかげで助かっちゃった^^♪
だからさ…
そんな風に言わないでよ。
少なくとも私は、本当に助けられたんだから^^
姉ちゃんが来る前まで
ずっと、凄くあったかい白い光で一杯だったよ?^^
本当は、ずっと気にかけてくれてたんだよね?(微笑』
思いもしなかった…
考えたこともなかった…
少なくとも、気にかけてる余裕なんて…自分には……
『余裕はなくても、心は繋がってるんだよ?
解るよ、それくらい。
本当はこうしたかったって…
心から望んでたものも、綺麗に壊されてったから…
その分、希望を持つのがつらかったんだよね?
こっちでは
父上と母上だけでなく知ってる村人も全員殺されて
今まで知っていた世界も全部壊されて
近界でも行く先々で全員に拒絶されたり
傷付けられては殺されかけ続けてきてって感じで…
でも今は幸せいっぱいだよね^^
あっちでは
小さい頃に激しいいじめを受けてきて
人とうまく接することができなくなって
話そうとすると、話しかけてくるなっていうトラウマがよぎって
人といること自体が嫌いになって、距離を取ろうとして…
その上、幼い頃からの父親のDVがあったのも原因だろうけれど…
そのDVがあったから
母と姉を護ろうと筋肉を鍛え始めたんだけれど
実際に主に役立ったのが母親の手術の後だから
うっかり、面接の練習できっかけって言って気にしてることとか。
きっかけはきっかけでも、役立ったきっかけだったんだけどね;
でも今は初めて友達ができて幸せそう^^
本当によく似てるよ?
あっちの自分も、こっちの自分も。
私を護るためにとった方法も。
今もずっと、悩み続けてるってことだってさ…』
恵土「…;お前にまで知られてるって;」
『テレパシーって心と心を繋げるでしょ?
私も心だよ!失敬な(ぷんぷん』
気付けば、閉じようとしている手を離していた…