第26章 映画
自分の中でも、向き合えていない部分が
そこにはあった…
自分の血にまみれた、昔の自分が…
それは、幼い頃に蹂躙され
ひどい目に遭い続けてきたことから封印した
割り切るため、捨て去るため…
頑丈な扉の奥へと閉じ込めたことを思い出した…
そうして壊れた自分が
その欠片を拾い集めて、昔のような人格を保っていられたのも…
それがあったから……
今ここに在るのは
大人になった自分と、子供のままの自分…
子供のままであったが故に、助けられたこと…
子供のままでなければ、自殺して死んでしまっていただろうこと…
一部分だけでも、大人になって割り切らねばいけなかったこと…
それでも己のした過ちの中でも
やっとできた友達に対してだけは割り切れず
消えてしまわないと、殺してしまわないとと考えてしまったこと…
人付き合いが苦手だった…
視線や話し方から、誰に対して言っているのかを読み取るのが苦手だった…
もしも親身になって接してくれる人がいたとしても
1か月も持ったためしがなかった。
人付き合いにおいても、相談できるのが一人だけだと
その人との人付き合いも相談できないこと…
逆に、その人は一人じゃないから
他に自分との付き合いのことを言われること…
それでも、そんな経験が初めてだから…
どうすればいいかもわからないこと…
煮え切らない思いと闇…
割り切って、深く考え過ぎないように言われても…
やっぱり嫌な思いをさせていることには違いはなくて…
それが嫌で、苦しいと感じてしまう…
それで、自分を傷付けるのが当たり前だと思った。
自分を殺すのが当たり前だと思った…
消えてしまえば、誰もが嫌な思いをしないで済むという考えに至った…
今でも、そう思っている…
『…』
その昔の自分はとても小さくて…
8歳の時のまま、止まってしまったのだと解った…