第25章 傀儡(かいらい)
秀次と出会い、家まで左手を引っ張られていき
秀次にも姉にも自分という存在を受け入れられ、涙したこと…
『他人なんて
村人たちと、一部の近界民以外じゃ誰も寄り添っちゃくれない』
そう思っていた常識が覆った…
失っていた彩が蘇った。
一緒に笑って、寄り添い合って
馬鹿みたいなことをしたり、ふざけ合ったり
一緒に色んなことを、たくさん山ほどやって
とても楽しかったこと。村人たちともそうして生きてきたこと。
とても嬉しくて、楽しいばかりで
それらに対して、喜びばかり感じていた…
小さい頃
常識だった日々が、そこにはあった。
恵土「…秀次」
光を見つめながら呟かれる言葉…
そして、その後に
皆と共に笑顔で過ごした日々が胸をよぎる…
恵土「…皆…
そうだ、帰らなきゃ。
皆が待ってるんだ。急いで帰らなきゃ」
「何で…そんなに想える?
救いなんて、3年も来なかっただろうが!!」
恵土「…その3年が、私を強くした。
おかげで、それごと大事って意味の奥深さを知れた」
「勝手すぎるだろ!;
あの時救ってくれなかったくせに!!;
何であの時は!!!;(涙」
恵土「そうだな。
それでも、私はこうも思うんだ。
あの時、あの時代、あの瞬間だったから…
私は、今の私で居られたし、あの日々が成り得たんだと(微笑)
だから帰らなくちゃいけない。
待ってる人達がいるから
こんな自分でも愛してくれる人達がいるから…」
「っ…
どうせ、それに俺は含まれてないんだろ!!??」
恵土「含まれてるに決まってるだろ!!」
「!」
恵土「そのお前ごと、私を受け入れてくれている;
お前も、私だろ;
お前も辛かったんだろうが!;(涙目)
苦しかったんだろうが!!;
だったら…(ぎゅう」
「!」
歩み寄りながら、その闇を抱き締めた。
そして…
言葉を想いと共に紡いだ。
幼い頃、自分自身に対しても抱いていた
大事な言葉と想いを…