第25章 傀儡(かいらい)
作戦会議中
東「やはり単独に動くにしても
25m以内に、最低でも5人がいつでもシールドで防げる方がいいな。
それでも、仮想戦闘モードによってベイルアウトは防げるわけだが」
風間「しかし仮想戦闘モードを持続的に使い続けるにしても
一瞬でも行動不能に落ちない方がいいと考えられるでしょうね。
その間にでも攻撃や防御に各々が移り
互いが互いを生かし合えるようにした方がいいと思えます」
冬島「恵土先輩の戦い方から見ても
一瞬たりとも無駄には出来ないからなぁ」
矢継ぎ早に方針が決まっていく中…
修「なんていうか…口を挟む余地もない;」
遊真「まったくもって無駄がないな」
千佳「凄い…」
栞「そりゃ
恵土ちゃんが戦術とかも叩き込んで鍛え上げた猛者たちだし」
迅「それだけじゃないぞ?
築き上げてきた積み重ねとか、色々あるから…
だから、あんなに必死になれる(微笑)
普段はあぁで、いい加減なように見えても
勝手に振り回しているように見えても
実際は、ちゃんと奥深い所で繋がっている。
精神的にきつい時も
不安や苦しみに打ちのめされそうになった時も
即座に駆けつけて、大事にしようとする人だ。
C級がベイルアウトできないことを近界へ悟らせないよう
戦ったC級を瞬時に身を盾に助け、おとがめなしにさせ
二度と危険にさらさぬよう、隊規を新たに加えさせたこともあるしな」
呆気にとられる中、一つのことが明らかになった。
遊真「ふむ。修が初めてじゃなかったのか。
やはり6年近く前の風間さんが最初なのか?」
木虎「そうね。
最初は、そういう隊規がなかったから
恵土先輩の独断みたいなものだったけれど
実際、それでよかったと思ってるわ。
C級の誘拐も、今まで一人も出さなかったわけだし」
修「うっ;すみません;」
木虎「恵土先輩が築き上げてきた歴史を
崩しかねなかったから怒ってただけよ。
もう知れ渡ってしまった以上、変えられないわ。
それよりも次に生かすことに目を向けていかなきゃ
その過去が意味がなくなってしまう。
それだけは避けないと」
その表情は真剣な面持ちだった…