第25章 傀儡(かいらい)
風間「どういうことだ?」
迅「前の時、恵土の体から出てきた黒い物質を
トリオン体になって、斬ってみた。
すると、神経を生で
じりじりと斬られるような痛みだってのたうち回ってた」
太刀川「うわっ;そりゃきついな;(汗」
東「気絶してもらえばいいが、そう簡単に事は進まないだろう。
おそらく、気を失わないように制御することも可能だからな」
秀次「つまり、トリオンを抜けきった後に埋め込んだ。
それによって、その物質を本来なら
体内で取り込んで回復にまわせるはずだったが
密度が足りないためできないということか。
だったら恵土を回復させて
黒い物質よりも高い密度にした後、回復にまわせないのか?」
迅「ん~。
それが一番安全策っちゃ安全策なんだけど
それに関しちゃ微妙なんだよなあ;」
忍田「?どういうことだ?」
迅「恵土が言うには
回復に関しては体外の方が広がりやすいし
体内よりもトリオンだって制御しやすくなる。
体内の場合だと
実際に臓器だとか筋肉だとか色々あるから障害物だらけ。
体外の場合だと
大気ばかりでそんなに邪魔にはならない分やりやすい。
って感じで、一度体内に取り込んでって場合だと
トリオン体の方がやりやすいみたいで」
忍田「トリオン体となると
なおさらにハードルが上がるな」
迅「そうですね。
だから、トリガーをわざわざ預けたんでしょうね。
あの時、秀次に預けたままにしたのも
多分それが目的だと。
それでも、最低でも
5人がかりでフルガードしないと防げない計算なんで
組んでもらわないといけないんですけど」
鬼怒田「やはりそれだけ強いのか。
だったら恵土の周囲に位置固定させて張り
トリオンを外に出させず、それでいながら内には通るようにした方が」
城戸「だが、それだといずれは壊される。
回復したとしても、脳が効かなければ意味がない。
身体が意思をもって勝手に動くとなれば別だが」
『!』
その言葉に、皆は押し黙った…