第25章 傀儡(かいらい)
辛そうな顔をしながらも
自らを必死に抑え込む恵土に対し…
迅は辛そうな顔をしながら縛ろうとしており
レイジ「そうか。俺もやろう」
迅「助かります。
恵土の左半身押さえ込んでおいてください」
そして、左手をレイジが
左足を烏間が、布団の上から押さえ込んでいる間に
迅は、布団ごと恵土はベッドへと縛り付けた…
それに安心したように力を抜くが…
2「ようやく、時が来たか…」
1「?何がだ?」
2「…左半身はほぼのっとった。
次は右半身だ。
ある程度なら制御が効くからな」
近界民が閉じ込められていた地下の場所で話し合う二人…
それを境に、物質の成長が急激に進む…
恵土「ぐっ;
うああああああああああああああああああああ!!!!!」
悲鳴をあげ、のたうち回ろうとする中
それさえもできないよう縛り付けているおかげか
ほぼ身動きも出来ないまま、ベッドだけがガタガタ言い出した…
鬼怒田「ちっ。やはり隠しとったか、近界民め」
根付「それよりも城戸司令、何でわざわざ恵土まで地下に?」
城戸「十中八九、上に恵土を縛り付けていれば
そこから地下へ向かい、暴れることになるだろう。
ならば、同じ地下同士に置いた方が
破壊の規模も、人への被害も最小限に食い止められる」
根付「なるほど。
一般人にも見られずに済みますな」
忍田「問題は、どうやって近界に行くのを止めるかだ」
鬼怒田「それについては、わしに考えがある」
根付「ほお。一体どういう?」
鬼怒田「恵土が作った
トリオン貯蔵区のトリオンを全て使い
まずは、恵土に対してだけトリオンごと
空間ごと内から外への移動を、全て無効化する結界を作り
地下の中の、一つの部屋に追い込み
その外側に張り巡らせ、これ以上移動させないようにする。
…恵土は前々から
こうなる可能性を考えていたそうだ…」
唐沢「なるほど」
忍田「それで行こう。
いいですよね?城戸司令」
林藤「っていうより文句のつけようもないだろ?」
城戸「…ああ。
あいつを、近界へは行かせるな」
そうして、一時的に開かれた緊急会議は終わるも…
再び、会議が開かれようとしていた…