第24章 迅悠一
俺じゃ、恵土を幸せにはし切れない…
それでも、力になれるのなら……
(そう思って微笑みながら
恵土を支えて、玉狛支部へ帰る迅…)
その誕生日の次の日…
玉狛支部に来客があった…
秀次「恵土の年賀状の住所通りに来たけれど…
なんだ、これ?」
施設に対して思わず呟きながらもインターフォンを押すと
恵土「はーい」
すぐに聞き覚えのある声が聴こえ、扉が開いた…
すぐそこに俺もいたが…
そこで会話をし合っていた…
恵土「!秀次!一体どうした?
お前がここに来るなんて初めてだな」
秀次「…//
誕生日プレゼント//(ぼそ」
そう言い、頬を赤く染めながら
恵土へ、ぐいっと強引に押し付けた…
恵土「…開けてみていい?」
秀次「頷)こっくり」
その紙を見て、開いてみると…
誕生日プレゼントに
「一日傍に居る券」なるものがあった…
恵土「ジーン)秀、次っ…;(涙目&震え」
秀次「ぷいっ)最近…
ずっと、いられなかったから//(ぼそぼそ」
涙目になって震える恵土に対し
少し気まずそうに顔をそらし
マフラーに口をうずめながら、ぼそぼそと言う秀次
それに対し
がばぁっ!!
即座にその場で抱き締めながら
恵土「一年ずっと一緒に居よう!!;」
涙を零さんばかりに目に溢れさせて叫んでいた…
秀次「できるわけがないだろ!;学校がある」
恵土「べったりひっついてく!;」
秀次「仕事はどうするんだ!!」
恵土「お前の方が大事だ!!;」
秀次「宿題だってあるんだぞ!;」
恵土「愛しているからいいんだアアあああ!!!;」
秀次「俺はよくない!!;一日が限度だ!!!;」
ギャーギャーと盛り上がる中…
それでいながら、二人はとても幸せそうだった…
小南「?何の騒ぎよ?」
レイジ「弟らしい」
小南「恵土に弟なんていたの!?」
迅「違う違う^^;
育てのって感じだ」
小南「ああ。なるほどね」
それを見つめ、言い合いながら…
俺たちもまた、その微笑ましい光景を見ながら微笑んでいた…