第24章 迅悠一
燃え上がる大地
恵土「絶対死なせない。これ以上死なせてたまるか!」
背負って必死に歩いていく中…
『お前が何を護ってきた…?
血に包まれる大事な皆の骸に何ができた?』
恵土「!」
『お前が護り抜けたものなど、あったか?
姉を目の前で失った時も
駆けつけても皆が殺されていた時も…
そんな返り血でまみれたお前が受け入られる場所なんてないに決まっているだろ』
その言葉に両手を見つめると…
その護りたかったものの血で、両手がけがれていた…
「っ!;(震え」
その言葉に、息が荒れていくのを感じた…
『今までだって、全員に気味悪がってこられた。
居なければいいと散々言われてきただろ?』
「やめてっ…;(涙目」
瞳が揺れる…
恐怖と不安、後悔や自責の念までもが
胸の中でぶつかり合ってはせめぎ合い、膨れ上がっていく…
『お前が護れるものなんて、何一つないんだよ!!』
「やめてえええええ!!!!;」
頭を両手で抱えながら悲痛な声が響いた…
「うああああああああああああああああああああ!!!!!」
そんな悪夢を見て目覚め、月明かりの中で飛び起きた時…
震えが止まらなかった…
恵土「…ゆ…め?」
はあ!!はあ!と息を荒らしながらも
段々と呼吸を落ち着かせていく…
それから
恵土「とりあえず顔でも洗いに)…」
ぐいっ
洗いに行こうとした時…
ベッドに紛れ込んでいた秀次が、裾を握ったまま寝ていた…
そして…
秀次「恵土^^//(むにゃむにゃ」
どんな夢を見ているのかはわからないが
とても幸せそうな顔をしながら、眠っていた…
恵土「…秀…次ッ…
何でこんな私の傍に居るんだよっ;」
涙と共に震えながら呟かれる言葉…
過去の想いと共に、紡がれていた痛みによる傷跡…
それらが、自然と涙を零させていた…
秀次「大好き^^//♪」
その言葉に、一気に心が温かさと光に包まれた…
恵土「秀次;(ぼろぼろ)
秀次ぃ;;(ぎゅう」
そんな秀次に、再びベッドの中に戻り
そっと抱き締めながら震えと共に泣いていた…
今があることの素晴らしさと
その優しさに救われて、光となって助けられた感謝も込めながら…
月明かりの下、離すまいとしながら
二人は共に、安心したように眠りについていた…