第24章 迅悠一
その言葉を思い出しながら
サングラスに触れながら、その後でもらった言葉も思い返していた…
恵土「…ならいい。
お前は、お前らしく生きろ。迅。
最上さんの弟子だったということは
どこまで生きていこうが決して変わることはない。
弟子として生きるもよし。
一人のボーダー隊員として生き続けるのもよし。
お前の好きにしろ。
ただ…人としてあるべき心だけは忘れるなよ?」
迅「…はい」
それでも、もう既に心は決まっていた…
その日の内に、夕暮れから夜になった後
恵土の部屋へ入って、それを報告した。
迅「最上さんは…
風刃は、俺が受け継ぐ。
色々と考えていたけれど
やっぱり、そうする以外考えられない!!(真剣」
恵土「ふっ(微笑)…
そうか。
なら、死に物狂いで特訓して来い。
そして…
お前以外、風刃を持つ代わりはいないのだと証明してみせろ(真剣&微笑)
私は一切口出ししない。手出しもしない。
最上さんの弟子らしく、お前で勝負して来い(真剣&微笑」
迅「はい!!」
真剣な表情でありながら、微笑み恵土に…
俺は、応えるために修業に明け暮れていた…
その後、風刃争奪戦で全力を出した。
風刃を持つに値するのは俺以外いないと、見せつけるために…
風刃を受け継ぐに値するのは
俺しかいないと証明するために…
そして受け継いだ夜…
恵土は俺をねぎらってくれた…
恵土「第一次近界民侵攻まで半年
それから、今や1年…
総計して、あれから1年半か…
頑張ったな、迅(微笑」
そう微笑みながら頭を撫でてくれた…
迅「…(微笑」
昔みたいに撫でてくる恵土に、思わず笑みがこぼれ出た…
恵土「迅、大きくなったな」
迅「…何で今、急に撫でてきて…
泣いてる時ぐらいしかしてこなかっただろ?」
恵土「…心が泣いてる」
真っ直ぐ向き合いながら
月明かりを受けながら、俺の眼を見つめながら言う恵土は…
とても真っ直ぐだった…