第24章 迅悠一
恵土は、俺の横に来て
俺が恵土の方へ向くと…
迅「?」
立っていた俺に向かって、最上さんを見せた。
恵土「…1年半だ」
迅「…え?」
恵土「これから言うことも見えただろ?(微笑)
私は…
これは、お前が持つべきものだと思っている」
迅「!…でも」
恵土「1年半後、私は城戸司令へ放棄して
それと同時に、風刃の争奪戦をさせる。
使える奴等、全員でだ。
その中で、強さを見せつけろ。
それから、これを扱いに値する奴が
俺以外いないと証明してみせろ。
それができなければ、それまでってことだ。
それだけ、伝えに来た。
最上さん連れて遠征でも行く時だってあるだろうけどさ。
…少し、触れてみろよ」
そして触れてみると…
最上さんが微笑みかけているのが、ふと見えた…
迅「…」
驚きで、言葉を失っていた…
恵土「…言っただろ?
私は、人にはない奇妙な力を持ってる。
これを最上さんに戻すこともできる。
それでも嫌なんだと(苦笑&溜息)
…
『これ以外、方法はない。
俺が注意を惹き付ける。その内にやれ!』
『もう、ここまでのようだ…
このままやられるくらいならば…
俺は、お前たちを護るためにも…
未来の行く末を託す…
またな、迅(微笑』
最上さんの意思は、ここに宿っている。
まだ、死んだわけじゃない」
迅「何で、最上さんの言葉を…」
恵土「最上さんは…
ここに、ちゃんと今も生きているんだ…」
そう言いながら、風刃を握り締め
切なそうな顔をしながら言った…
それに、俺は本当のことなのだと悟った…
それから恵土は、俺に背を向けて言った。
恵土「それを受け継ぎたいかどうか
それの似合う男になれるかどうか…
それらは
お前が、自分で選んで決めることだ。
やりたいようにやれ。
前に…
そこで言ったこと、覚えているか?」
迅「…(頷」
少し振り返りながら、俺を見やる恵土に
俺は頷いた。片時も忘れなかった、あの言葉を…
俺を、何度でも救ってくれた言葉を…