• テキストサイズ

鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第24章 迅悠一




恵土「…それでも…

それで「失った大事なもの」にばかりに気を取られて、周りを見失うな。


お前には…

まだ、こんなにもお前のことを心配してくれる人達がいる。


失ったよりも、多くの人たちが

お前を心配して、押さえ込んででも護り抜こうとしてくれている。


そういう人達がいるだけで、十分だろ…


お前は、私と違って…

知る世界も全て失って
たった一人、生き残ったわけじゃないんだから…」


そう、男の目線に合わせるようにひざまずき

苦笑しながらも、恵土は語り掛けていた…


重い言葉と、大事な想い…

それらが、恵土の言葉からひしひしと感じた…


醜いばかりのこの世界でも…

見失ってはいけない、大事なものがある…


見据えなくてはいけない、大事なものがある…


それを見据えるために、見逃さないために…

見るのが辛くても、ちゃんと見据えろ。


見失うな…


その意味を込めて、サングラスをくれたのだと解った…


玉狛支部に入った2006年11月から
2007年1月になった後、3年3か月もの間

俺に託す2010年4月15日まで、ずっと肌身離さずつけていた…


理由を聞くと…まるで、あの時の草原の中に…

秀次と一緒に居るような感覚に包まれたからだったらしい…


恵土「一生、向き合っていくしかないんだ…

その度に、何度でも乗り越えていくしかないんだ…


大丈夫…

支えてくれる人達がいるんだから(微笑」


そう微笑みながら、その肩に手を置くと

頷きながら立ち上がり、立ち去っていった…


そのやり取りの中

小南は泣いていて、レイジさんは涙目になっていた…


俺も、少し泣いていたけれど…

なぜか、道が開けたみたいに


目の前が明るく、彩がより深く感じられた…


人として…

人生において、大事なもの…


それが一体何なのか…


夕日の光を受けながら

18歳でありながら、そこまで見据え

堂々とたたずんでいる恵土の背を見て…


そこから、学んだように感じた…


それと同時に、そう在りたいと思うようになった…


それから俺は、スコーピオンを恵土と一緒に作り出し

もっと多くの人を護れるように
最上さんを師匠として、強くなり続けることを決めた。

/ 1782ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp