第24章 迅悠一
迅「俺なんか、いない方がって思いかかってた…
それでも、いてもいいって;やっとわかった;
母さんが死んでから、おかしいんだ;
彩がなくなったみたいに見えて…
なんか、解らないけれど…
喪失感っていうか、そういうのがでか過ぎて;
見たくないのに勝手に見えるし;
それで変えられなかったらなかったで嫌だし苦しいしっ;」
そう言いながら、涙をぬぐいながら言い続ける俺に対し
その両手を優しく両手で握って、こういった…
恵土「だったら、私がその彩になる(微笑)
失えば、その今までの輝きが強い分
苦しんだりもするし、モノクロにだって見える。
それでも…
これからも、生きなければいけないんだ。
聴いたろ?母親の言葉…
これから幾度も辛い目に遭うかもしれない。
それでも、生き抜いていかなければいけない。
今までが、その連続だったように…
これからも…
だから…
彩が目に映らなくなっても、光を見いだせ。
その眼に何が映っているのか、私にはわからないし
お前になってやれないから、言われないと解らない。
それでも…私が支える。
その中でいい。見つけ出すんだ。
何を見たかったのか、どうしたかったのか…
どうありたくて、これから何を目指すのか…
生きる希望をなくして、彩なんてありえない。
自分も、そうだったからな(苦笑」
迅「…恵土は」
恵土「?」
迅「何を、希望としているの?」
恵土「…さっきも言ったように
お前たちが幸せを感じて笑った時の笑顔だ^^
それを見るのが
それまでの死を、経験を乗り越えて
その上で笑えるようになった。
幸せを感じれるようになった。
その笑顔が、私は大好きなんだ^^
だから迅…
お前も、自分で考えて見出すんだ。
お前の望むものは、何だ?
何を目的として、生きていきたい?(微笑」
目線を合わせて語り掛ける恵土…
微笑みかけながら言うその顔が
隣の夕日のせいか、とても光輝いて見えた…