第24章 迅悠一
理解されない苦しみ…
受け入れられない悲しさ…
その当時、護れなかったやるせなさ…
それらの全部を、恵土が理解しているのだと
だから護り抜くために助けに来てくれたのだと解った…
葬式に飛び込んできた理由もまた、頷けるものだった…
それを信念においていれば、自ずとそうするだろうことも…
恵土「…
なあ、迅」
迅「?」
恵土「居場所って、どうやってできるか解るか?」
迅「ん…どうやって?;」
恵土「…心の中でできるんだよ」
迅「え?」
恵土「ここに居たくないって思えば
そこから離れることにばかり執着してしまう。
そこに居心地がよくないと感じていれば
自ずと心も離れ、同時に体もまた離れていくことになる。
お前がどうしても嫌なら、帰って来なくてもいい。
嫌なままいても、苦しいだけだ」
迅「いやなわけじゃ!!」
その言葉を言いながら立ち上がった…
実際、一緒に過ごした日々は
とても楽しいものだったから…
(レイジたちに多少の悪ふざけをしては
笑いかけて、笑わせてくる恵土。
それらに思わず、満面の笑みを浮かべる迅に
思わず、皆が笑っていた…
そのアットホームな雰囲気が、気付けば大好きになっていた…
もっと居たいと、思わせられていた…
学校よりも、もっと…
恵土「迅、一緒にご飯でも作るか?^^(左手を差し伸べる」
迅「…うん(微笑&頷」
その手を右手で握る中、一つのことを感じ取っていた…
雰囲気が、母さんと同じだった…
とても温かくて、優しくて…
いつでも受け入れようとしてくれる…
その意志を、誰よりも尊重しようとしてくれる…)
恵土「いたいかどうかは、お前が決めることだ。
私が無理やり帰らせても、苦しませることにもなる。
逆に何か悩んで、ここにいるのなら
安心してぶつけるといい(微笑」
そう、玉狛支部での日々を思い返す中
微笑みかけながら、恵土は言ってくれた…