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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第4章 過去




ボーダー本部

恵土「あの時の日本刀を持って来いって

一体どういうことなんだか。ふあぁ~;


まあいいや。

ぱっぱと行って、話してくれば終わりだよね」


そして、司令がいる部屋へと通される。


恵土「今回は一体何の御用で?」

城戸「…その日本刀、最後に贈られたものらしいな」

恵土「ああ。

これだけは無事に残るって踏んでたんでしょうね」


城戸「…見せてもらっても構わないか?」

恵土「血が所々に残ってますが…どうぞ」


そして渡すも

それはただの日本刀に他ならなかった…


恵土「ただの日本刀でしょう?」

城戸「ああ。

…だが、トリオンを送ってみたらどうだ?」


恵土「?

確かに当時は、トリオンを受けてどうとか考えてた。
今でもそう思ってる。

けれど、それはただの憶測だって言ってただろ?」

城戸「お前だけのトリオンに反応するのだとしたら?」


恵土「!」

城戸「もともと
お前の父、紅蓮(ぐれん)は刀と体術に特化していた。

まれにみる弧月と体術を併用した、最強の弧月使いだった。


そして
お前の母、ソフィアはトリオンの繊細な扱いに長けていた。

イーグレットで、どんな標的も撃ち抜き

場合によっては
中距離でも近距離でも、走りながらでも自在に
瞬時に撃ち抜ける、最高のスナイパーだった。


お前に昔、その形見と言えるトリガーを渡しておいた。

にも拘らず、一向に使う気はなさそうだがな」


そう言いながら、日本刀を渡す。


それを受け取りながら、恵土はうつむきながら呟いた。


恵土「…勘弁してくださいよ。

私は、両親の形見を使う気はこれっぽっちもない…


両親を救えなかった私が、使う価値なんてない…


両親の亡骸を前にして、それをすぐに護ることも出来ず

ただ、泣くことしか出来なかった自分自身が…


トリオン兵が来て、ようやく気付くような自分が

それを使っていいはずがないんですから…」

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