第23章 激動
始祖神「…不思議な気分だ。
まさか、私の魂が
主(ぬし)のような子供に癒着していようとは…」
恵土「よかったぁ^^
怪我ないや…安心…し…(かくっ」
始祖神「…安心して寝たか(微笑)
…ヴォルフ、お前はどうする?」
恵土(ヴォルフ…?流尾の…ホントの名前…?)
薄れゆく意識の中、辛うじて聴けたのは…ここまでだった…
『…私は…』
そんな中、ヴォルフは言い出し辛そうにしていた…
生み出してくれた恩人、それが始祖神であることには違いない…
しかし、それ以上に掛け替えのないものを見つけてしまった…
その中に、もっと共に居たいという想いを
見出してしまったことに気付きながら…
始祖神「いや…言わずともわかっている…
生きる目的が出来たのだろう?
恵土を護り抜くという、目的が…(微笑」
『…はい』
始祖神「意思を持たぬはずだったお前が意思を持てたのは、こやつのおかげなのだろうな…
幸せに暮らせ。
そして…笑顔を見せてやれ(微笑)
恵土が満足するぐらいの、満面の笑みをな^^」
その直後、始祖神が自身の力で
山も村も元通りに戻したのだった…
始祖神「…
「まごうことなき信念」「揺るがぬ想い」…
それは、一時によってできるそれではない…
そうでなければ、私以外の意思で従わないはずのヴォルフを
ここまで力を発揮させることなどできない…
ましてや、新たなものを生み出すことなどは特に…
ヴォルフの持つ始祖神の力と
恵土の持つ始祖神の力…
各々を融合させ、掛け合わせ
私の力を遥かに上回る力を生み出し
戦闘体をも生み出し
最後には…
戦闘体ごと、力を想いと共に
左拳へ集約させて解き放ち…
全ての闇を祓った…
互いへの想いの掛け合わせが
全ての世界も、世の理をも凌駕するとは…
将来が、とても楽しみだ…(微笑」
立ち去る中、そう思いながら…
天へと還っていった…
遠い昔、生み出したのちに望んでいた場所へ…
始祖神「今しばらく、様子を見よう…
世界が…壊すに値するか、値しないか…」
遠い神界…
神々が住まう場所で
始祖神は今も、幸せを願いながら見えているかもしれない…
それは定かではないが
清らかな愛が向けられていることに、違いはなかった……