第23章 激動
『お前との日々は億劫だった…
だが、それでも…
それでも
何よりも大事なものを、私はもらった…
お前は、自分のことは後回しだ。
人を護ることばかりで、自分を全く護れていない。
だから…
私がお前を護ってやる。
そして、お前が私を護れ。
お前なら…
私の力を十二分に出来るだろ?(微笑』
恵土「ああ!(頷&微笑」
真剣な面持ちのまま、笑って頷く…
そして二人は、一つに…
ヴォルフは、紋章へと取り込まれ…
紋章が白く光輝き、その光は全身を包んだ…
光を放つ体が溶け合い、想いが解け合い
白い衣を纏った、白い光を放ち続ける一人の人間…
恵土へとなった…
そうして…
それが、世界で最初のトリオン体となり
互いが互いの命を守るため、近界へと広まることとなった…
恵土「!
(トリオンが出しやすい…これなら!」
その直後、バルブを無数に生み出し
始祖神の周囲へ繰り出し、全身の動きを固定した。
その直後に
全身から闇を出し、吸収して無効化させる始祖神だったが…
恵土「うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
その紋章ごと始祖神の力を全て集約させた、左拳の一撃が
その全身へと、そこに込めた想いが注ぎ込まれた…
『負けられない…
それよりも、その存在ごと愛している…
それと…
生み出してくれて、ありがとう』という想いも乗せて…
その直後…
その白い光は、村や山にまで広がった闇を飲み込み
全てを浄化し、始祖神までをもありのままの姿へと戻した…
そして…
どさっ
恵土「…始祖神、怪我ない?;」
『言葉が悪い;』
力尽きて、地面へと両者が落ちた中
始祖神もまた、地面へと降り立っていた…
清らかな晴天の中
その居心地の良さに微笑みながら…