第23章 激動
一族に受け継がれたもの…
その紋様は、始祖神の力を愛として受け継がれた証でもあった…
そのため、始祖神の力を歩い程度扱うことが出来る。
(祖父は右掌、母上は脇の下の横腹、恵土は左手の甲)
だが、祠を開けたり
ご神木に触れることができるのは
ある一定のレベルの力を超えたものを
もって生まれたものしか、開けられないとのこと。
5歳の時に姉を目の前で失ってから
異様なまでに修業に精を出すようになり
7歳の誕生日まで、あと2日…
1998年3月18日
あまりにも溢れすぎた力によって、復活が可能となった…
その後、始祖神を復活させるものの
祠とご神木も、土地も消えず、そのままであり続け…
ここの世界だけでなく
生み出した世界全てに育まれた闇によって
闇に包まれた始祖神が復活することとなった…
それを浄化できるのは…
「清らか」かつ「純粋」な愛に満ちた、力のみ…
恵土「…辛いよね…
だって、自分で生み出した大事なものを…
自分の手で壊さないとやっていられないぐらい
ひどい闇に包まれている…
飲み込まれまいと必死になってあがいてるんだよね?
これほどの闇に立ち向かう術を、私は持っていない…
きっと、耐えられないし
その痛みも辛さも、その人じゃないから解ってあげられない…
それでも…
少しでもいいから、助け出したい…
闇に飲まれて、傷付けようと殺そうとするから…
人は、それを悪だとか何だとか勝手に決めつけて
どれほどの理由があるか
どれほどの経緯があって、その闇に堕ちたのか…
肝心なものを見失っては、敵となったものを責めるばかりになる…
いくら正当化しようが、傷付けて止めれば
傷付けてしまったことに違いはないのに…
最初に傷付けようとしてきた敵だけが悪いみたいに言われる…
そんなもの…私は与えたくない…」
始祖神の闇に包まれる中、呟かれる言葉…