第22章 伏魔(ふくま)
恵土「だから私は、必死になれる…
帰って来れるのなら、何もいらない…(遠くを見つめながら微笑む」
まるで…死んでいった人達を懐かしむように
夕日を見つめながら微笑んで言っていた…
その後、俺を見つめながらこう言ってくれた…
恵土「お前たちがいるだけで、幸せなんだ^^」
その言葉に、嬉しさを感じて…
夕日の中、沈んでいた心が喜びで満ちて
その明るさと温かさに包まれたのを、今でも覚えている…
秀次「!…(微笑)
へへっ^^//」
恵土「…^^//」
そうして見つめ合いながら笑って
恵土「よぉ~し!
居場所までかけっこだ~!(微笑」
秀次「あ~!ずるい!!」
恵土「早い者勝ちだ!^^♪」
急に駆け出した…
いつものように、明るく…
満面の笑みを浮かべながら、とっても幸せそうに……
その背を追いかけるだけで、俺は幸せだった…
恵土が、居場所のように感じて…
とても、一緒に居れるだけでほっとした……
けれど…
その当時の俺は、恵土の肝心な所は何も知らずにいた…
その走っていく背に…
一族の宿命だとか、村の全滅とか…
そういう重いものが背負われていたことを…
当時の俺は、知る由もなかった…
そういうのを、重荷にさせたくないって話したがらない方だって
それが恵土だと、まだ解っていなかったから…
それでも…
一緒に居れることにほっとした…
大好きだって、愛しているとも言ってくれた…
それごと、俺のせいでどんな目に遭っても
どういうことを味わうことになったとしても…
「大好きだよ、秀次^^」
いつものように、優しく温かい声で言っては
左手を差し伸べて、笑いかけてくれた。
「僕も…ずっと大好きだよ^^」
その手を取る俺に、いつも愛を向けてくれていた…
こんな俺を、愛し続けてくれた…
それがたまらなく嬉しかった…