第22章 伏魔(ふくま)
太刀川「ちくしょう!!
なんだってあいつばっかり!!!」
迅「まあまあ。
おそらく、何年も立ちふさがってきたもんだから
目の敵にして狙ったんじゃないんですか?
あげせん食う?」
太刀川「気分じゃねえ!!!(怒り震え」
風間「落ち着け。
どれほど怒った所で帰っては来ない。
今は事態の改善のためにも
遠征艇のゲートが開くのを待ち、それまでに備えるしk
ぐいっ!!
風間「!」
その言葉の最中、太刀川はその胸ぐらを掴んでいた…
太刀川「…恵土が連れ去られる時
風間さんが、すぐ傍に居たんですよね?」
低くくぐもったような声で呟かれる中…
風間「ああ」
返事を返す…
太刀川「一番近くに居て
どんな顔して連れ去られるかまで見てて
すぐにでも助けられたはずだったってのに…
何やってたんですか?(睨」
風間「…」
太刀川「のんきなもんすね…
恵土を連れ去られる所に、遭遇してたっていうのにっ!
俺なら、絶対にそんなことはさせなかった!!
その時、無理やりにでも手を握って離さねえでいた!!!!」
そう叫ぶ中…
気まずい空気と共に、静まる場内…
忍田「落ち着け!慶!!今h
太刀川「今って…
そんなに大事なものかよ?(震え)
俺にとってはっ…
あいつがいることが大事なんだよ!!!!!」
声までもが震える中
風間の胸ぐらを掴んでいた手ごと突き飛ばし
ばん!!!
忍田「慶!!」
叫ぶ声も虚しく、去っていった…
城戸「青いな…」
迅「仕方ないですよ。
太刀川さん、あぁ見えて惚れこんでたんですから…
風間さん、そんなに気負わなくてもいいですよ。
さっき言ってくれたように、今は事態の改善が先決ですし(微笑」
風間「…いや」
迅「?」
風間「そう言われても仕方のないことをした。
俺の実力不足だった。
認めざるを得ない」
出水「…」
辛そうな顔をする太刀川に対し
出水もまた、辛そうな顔をしていた…
そんな中、太刀川は壁に向かっていた…