第21章 襲撃と想い
恵土「…(ぱちっ)
秀次?」
いつの間にか抱き締める力を強めてたことで、目を開ける恵土…
秀次「!…悪い」
恵土「…秀次…
大丈夫だよ…」
秀次「!」
恵土「たとえどんな選択を取ったとしても
それごと、愛しているから…
どれだけのことをしようが、変わらないよ…
本質は、きっと変わらない…
私のことを愛しているから
姉さんのことを愛しているから…
それも、ちゃんと解ってるから…
だから…
傷は癒やせなくても…心だけは癒やさせて…
あの時、そうして助け出してくれたように…
殴り合っては蹴り合って…
そうして、そんな心を解放させて
笑いで、幸せで満たしてくれた時のように…」
目を瞑りながら微笑み、そっと抱き返す恵土に対し…
秀次「…(涙目)
馬鹿野郎がっ…(涙」
そんな中、目を強く瞑りながら
今度は優しく抱き返し、その両目から涙を零す秀次…
月が照らされる病室の中…
一つの想いが交差し合い、心が満たされていく…
互いが、互いのした行動によって救われていたこと…
誰にも受け入れられず、居場所もなく…
公園の誰も見つからないような深い草むらに居た中…
一人きりで荒んだ眼をしていた時…
秀次がやってきて、引っ張り出され…
家に連れられ、過ごすことを言われ
天涯孤独のことを教えた中、共に過ごすことを
一緒に土下座したことで許されて
それからの毎日が、とても楽しかったこと
それで自身を全く知らない市民から好き勝手言われたこと
そんな中、それに秀次は怒ったり泣いたりしてくれたこと…
それでも、優しく手を差し伸ばすと
とても嬉しそうに微笑んで、その手を繋いで満面笑顔で帰途についたこと…
それから一か月後、あの出会った公園の草原で
ずっと大好きだと、愛していると言ってくれたこと
泣きながら喜んでいると
ずっとこのままでいると言ってくれたこと…
離れる時でさえも、どんな時でさえも…
心の底では互いを誰よりも愛し
ぶつかり合っては、とても大事に想い合ってきた…
それら全てが…
互いにとって、何よりも心の救いとなっていた……
その想いを感じ入りながら、安らかな眠りについた…
闇を吹き飛ばす、愛という名の光と共に……
それをくれたものを、互いに隣に感じながら…