第4章 過去
恵土「え?(きょとん」
その言葉に、意図が解らず動きが固まった…
有吾「お前は
血みどろになりながらも、必死に村人の躯(むくろ)を護った!
その最後まで生き抜いた証を、お前は護り抜いた!!
お前にしか出来なかったことだ!!
お前が生きていなければ、できなかったことだ!!!
それなのに…
お前は、お前を否定できるのか?
その躯が、視認することさえもできないほど
ぐじゃぐじゃになってた方がいいのか?」
恵土「違う!そんなんじゃ
有吾「だったら言うな!!!」
恵土「!」
有吾「お前は…十二分に、よく戦った。
いつも、お前の両親が
自慢げに、お前のことを話していた…
口を開くたんびに、そればっかりで…
結局…
生きている間に、その自慢の娘に会えなかった…
だが、今こうやって会えている…
俺は、会えてよかったと思っているよ…
こんなに、人の立場に立って
ちゃんと、大事に想って考えることができる
そんな人もいるんだと解った…
俺はな、嬉しいんだ…
お前に会えて…
お前と言う人間性を理解できて、触れ合えて…
近界には、もっと山ほど色んな人がいる…
そんな中でも、お前のような人は
一握りさえもいないんだ…
だから…
本当に、出会えて嬉しい…(涙目)
お前は、その気持ちを解った上では
否定できないだろ?^^;」
涙を浮かべ、流しながら
満面の笑みを浮かべながら言う有吾に対し
恵土「…うん;(頷く」
声をひきつらせながら、涙ながらに頷いた…
そう思ってくれる人がいたこと…
その喜びを、向けられる温かさを感じながら…
恵土「ありがとう;」
そう涙を流す中…
その恵土が見つめていた左手へ向けて
左手を差し伸べた…
恵土「!」
それに対し、驚きと共に目を見開く…
それでも、それは絶望の闇ではない…
有吾「行くぞ^^」
太陽を背に、左手を差し伸べられ
自身の左手を掴んで、満面の笑みを浮かべる
恵土「ぱあ)うん!^^」
それに、喜びと共に表情を輝かせ
頷きながら、満面の笑みを浮かべる…
そうして、歩み出す道…
それは、光と温かさで満ち溢れており…
希望という名の光と共に
二人は、近界へと渡っていくのだった…