第21章 襲撃と想い
恵土には
7年前の出来事から、一つの特徴があった…
右手の甲に、秀次が鉛筆で刺されかかった時
咄嗟に恵土はそれに右手をかぶせ、庇ったことがあった。
それ故か、一部だけほくろほど濃くはないものの
右手の甲のほぼ中央に黒く染まった小さな円がある。
クモの糸に厳重に包まれている中…
右手が、だらんとした状態で見えていた…
そんな折…
左手首にあったトリオン兵は解除されていた…
遊真「なんだ?結局止めたのか」
ゼノ「いちいち気を回し過ぎだからな。
もしも、トリオン体を発動させた時
電撃によって気を失うことにもなりかねないし」
遊真「そういうゼノ様も気を回してるな」
ゼノ「うるさい」
遊真「やっぱり素直じゃない」
リリス「恵土とは大違い」
こそこそ
ゼノ「ほっとけ!!」
修「あはは^^;」
なんていうことがあったわけなのだが…
その時には、迅の計らいによって
当真と風刃、到着していた奈良坂との連携によって
風刃を起動した秀次が
ボスである大型クモ型トリオン兵を倒した事で
クモの張り巡らされた糸も
それによって生み出されていたクモ型トリオン兵も解除され
唯一誰よりも厳重に縛られていた
恵土もまた解放され、落ちていく…
他のものも落ちていくものの
それは恵土によって、あらかじめシールドが張られているため
落下による怪我も影響もないとの判断により
秀次は咄嗟に受け止めた…
秀次「!…重さが無い?」
それもまた、それよりも前から
風間と会ってた時から、重力をカットするため
シールドで全身を覆っていたことによるもので…
(戦いの時は、思いもよらぬ電撃によって反応が鈍り
衝撃を吸収するという効果を示すまでに時間がかかってしまった)
とにもかくにも、助かったのだった…
大型クモ型トリオン兵、襲撃事件
怪我人、死者、共に0