第21章 襲撃と想い
恵土『…』
『ここにある水は、かつてお前が流してきた涙。
感じていた負の感情全て…
その底にあるのは、今までに溜め込んできた闇…
それをどうするかは…全て、お前次第だ』
恵土『その瞼に焼き付けし印(いん)は、風月流の証。
そして誓え。
流れと共にあり、
どのような荒波に巻き込まれようとも護り抜くと…
心の中で念じよ。
『我、常に想いと共にあり。
一族の名の宿命のもと
長きに亘り、生き続けていく。
風月流派138代目師範、田中恵土。
今、ここにおいて
これまで通り、護り抜くことのみに
この力を使うことを改めて誓わん!
古より宿りし力よ
我が想いに応えよ!!』
解放…ヴァンドラ!!』
すると、水も闇も光と共になくなり
全てが浄化されていくことが感じられた…
今まで、どのような闇にも汚されず
恨みや憎しみなどの負の感情も寄せ付けず
正しく生きようと貫いてきたように…
幼い頃から抱き続けてきた…
人に幸せで笑っていて欲しいと願い、実行し続ける…
そんな純粋な想いと共に……
そんな折…
緑川「恵土先輩、大丈夫かなあ?」
四塚市で不安そうな顔で呟かれていた…
木虎「大丈夫でしょ」
緑川「ん~。
でも自分には疎いからなあ、あの人;
人が不安を感じてたり
闇を抱えている時は即座に気付いて
それから解放されるように
ありのままで居られるようにふざけたり色々して…
そういう人だから俺も色々と救われてきたわけで
そういう人になりたいなあって思わされたんだけど…;」
木虎「…大丈夫よ、きっと…
あの人は、簡単に負けるような人じゃないわ。
ただで転ぶような人じゃないでしょ?(微笑」
そう言いながら、真っ直ぐ空を見据える木虎は
とても自信満々で、どんな不安も吹き飛ばしてしまう説得力があった…
緑川「あっはっはっ^^
確かにそうだ(微笑)
信じよう…
なんたって、僕らの師匠なんだから!(微笑」
その言葉を聴き、なぜか笑いがこみあげ
同様に空を見据える緑川…
その眼に迷いはなく、まっすぐ前を見据えていた…
過去に起こった過ちを繰り返すまいとする、師匠のように……
(11月27日AM2:45更新、622~630(9ページ))