第21章 襲撃と想い
恵土(どれだけ強大な力を持っていようと
死者を生き返らせることも出来ない…
とても歯がゆい。やるせない。辛い…
そんな思いの中、必死に生き抜いてきた…
石をぶつけられても
勝手に回復するのを面白がられて、殺されかけ続けても…
それでも、人全体が悪いってわけじゃないって解ってて…
だから、傷付けることができなかった…
大切な存在が、互いに居て
繋がり合っているからこそ、世界が成り立っているのだと…
世界とは…
知るものと知らないものの全てなのだと、解っていたからこそ…
自身にとって大切なものを護り抜きたいのならば
そうでない人も護るべし。
その風月流の教えは、利己的な考えで動くな。
それに巻き込まれて、傷付き悲しむ人がいることを忘れるなという意。
…護り抜くためには、力がいる…
一度は要らないと思った。
過去ごと捨てたいとも思った…
始祖神の力を受け継いでから
初代からの記憶まで受け継いでしまったからこそ…
その後の闇の深さを知っているからこそ
それに向き合って乗り越えることに集中させるために
祖父ちゃんは封印したのだと…今になっては解る…
もう、大丈夫だ…
迅のあの言葉(536~537ページ参照)のおかげで、とても救われた…
秀次たちのおかげで、自分を取り戻せた…
居場所を見出し、幸せを感じられるようになった…
護り抜くために、戻したい…
それごと背負って、生き抜いていきたい…
始祖神の末裔として…
封印…
その封印の解き方って…どうするんだっけ…)
もうろうとする意識の中、明かされた過去…
『お前は知らねばならぬ…
始祖神の力に魅入られ
始祖神の寵愛を受けた者…
始祖神の力を、初代より受け継ぎし末裔よ…』
恵土『…というより、ここはどこなんだ?
光が話してるように見えるけど…変人?』
『違う…
封じられた力だ。
それが闇を押さえ込むことで
理性を保てていたと言ったも過言ではない』
恵土『…そうだな(微笑)
変人扱いして悪かった^^;
どうすれば、元に戻せる?』
『…言っていたはずだ…
あの封印を施した後、何だと言っていた…?』