第21章 襲撃と想い
祖父「凄まじいトリオンを放出しながら産まれ落ち
祠に宿っていた始祖神の力にも適合し
魂もあまりの清らかさから、始祖神の再来と謳われる…
ここが始祖神の体が宿った神域だということを…
誰かに言われずとも理解しており
この世には、憎しみの方が多くはびこり続けていることを…
世界中の憎しみを生み出すもととなってしまった責務を負わなくてはならないこと…
そこで、己を見失えば…
世界の全てが、今までの憎しみによって焦土と化すこと。
全てを言われずとも
目に見えないもの全てを見聞きし、感じ取る。
その生まれ持った能力こそが超感覚。
五感も研ぎ澄ますことができるとはいえ
一番凄まじいのは、その超感覚だ。
それが、未来を大きく左右する。
闇を感じ、光を感じ
視覚と聴覚で見聞きすることも可能。
それがあるからこそ、辛いこともある。
その感情に飲まれそうになることだってある…
勝手な都合、思い、価値観
それらを押し付けられることとなる…
それでも、お前はきっと
押し付けるのではなく、自らの掲げるものを叶えるため
自らの闇の暴走を律しながら
相手が闇にとらわれることもないよう
わざとバカげたことをしたり、ふざけたりもするだろう…
それが、その人にとって救いになると信じながら…
普段通りに過ごしていられる…
それこそが、真に恵まれていることだということを…
それを訴えかけようとばかりに…
そうだろう?恵土」
振り返ると
恵土「すーすー」
祖父「聴かんかあ!!・・;」
恵土「ん?…お話し終わった?(ごしごし」
祖父「真面目に聴け!;」
恵土「ヴォルフが聴いてくれたから解るよ。ね?」
ヴォルフ「こっくり」
祖父「お前の力によって意思を宿したエネルギーに頼るな!!;
それは始祖神の力であるぞ!!;」
恵土「大丈夫大丈夫。
始祖神は立ち去ったでしょ?
祠にあった魂も、私に癒着とかで引っ付いてるらしいけど
つい最近復活させたばっかじゃん。
始祖神の力…
ヴォルフだって、正式に譲り受けたものだし。
まあ、血肉骨にも力を宿してるらしいけど」
眠そうに語りながら、再びうとうとしだした;