第4章 過去
その頃、恵土は…
恵土「…」
ある建物の跡地…
瓦礫の中で、しゃがみ込んだまま
あがろうとする朝日を眺めた後、瓦礫をあさっていた…
有吾「…やっぱり、ここにいたのか…
(一番会いたかったはずの両親がいた跡地に」
恵土「…おめでとうだって…」
有吾「?」
ふいに放たれた言葉に、首を傾げる有吾に対し
あるものを投げつけた…
それは…
有吾「あいつ(紅蓮)の字か…
Happy birthday…これはソフィアの字だな」
恵土「何が…めでたいんだろうな…
私なんかが生まれてきたせいで、トリオン兵が現れて……
そんでもって後から
誰も助けに来てくれなかったくせに…
当然のように来て…
遅すぎるよ……」
そう言いながら両膝を抱え込みながら
目を伏せていた
有吾「いや…悪k
恵土「でも、一番腹が立ってるのは…
すぐに駆けつけれたはずなのに…
駆けつける所か、護れなかった自分自身だ!;」
そう叫びながら、涙を零していた…
有吾「……なあ、恵土…
お前は、近界民(ネイバー)が憎いか?」
恵土「憎くない。
一番憎いのは…何も出来なかった、自分自身だ;」
その言葉に、涙に
「そうか」と言いながら、その頭を撫でた…
有吾「…俺と一緒に
近界(ネイバーフッド)に行かないか?」
恵土「?」
有吾「…きっと、あいつらが望んだ未来は
俺と同じように、近界民と解り合える未来だ。
こちらの世界と近界民の『架け橋』になる。
それが、ボーダーだ。
護るというのも、仕事に入っているがな…
どうだ?興味はないか?」
恵土「…ない、と言えば…嘘になる。
同じ思いをする人が減らせられるんなら…
私は、何にでもなってやる…
護れるんなら…
私は、どうなってもいい。
…それと、肩…噛んだりしてごめん(お辞儀」
有吾「気にするな。
それより、近界に行くとするか」
恵土「架け橋になるためには、理解しないとってこと?」
有吾「ああ。
お前も、一緒に来ないか?(微笑」