第20章 異世界からの逃亡者(風月流)
恵土「…懐かしいなあ(微笑)
サンタの格好になった私を
玄関先で、即座に抱き締めて迎え入れてくれたっけ…
いつだって、満面笑顔で…^^」
写真を眺めている内…
恵土「そっか…
もっと、ここに居たかったんだ…
もっと、こうして人肌に触れて…
それでも周囲は、私のことを知らないから気味悪がって…
たくさん嫌な思いをさせているんじゃって、負い目もあって…
それで一人で泣かせて、それでも一緒に居たくって…
秀次も姉も一緒に居たいって言ってくれて…
結局は、それに甘えて4年も一緒に居させてもらった…
毎日毎日、一緒に暮らして…
楽しい日もあれば、辛い日もあって…
姉さんが死んでからは…
一人にさせないようにちょくちょく帰っていたけれど…
それ以前から反抗期が張り合っては殴り合いばっかりで…
それでも、抱き締め合って泣く時もあって…
…15歳と8か月の時…9年前の11月20日…
玉狛支部を最上さんと林藤支部長が設立して…
『ずっと、待ってるから』って言ってくれたから…
こっそり何度も顔出して…
ずっと、玄関先で待つことが多かったなんて…
っていうか、断ったのに…
プロポーズするって、勝手だよな…;
それでも、正直な気持ちを言ってもいいって…
とりあえず送ろう。正直な気持ちをLINEで」
そして…
一つの文面を送った。
『秀次…
あんなこと言って、本当にごめんだけど
やっぱり、秀次のことが好きだ。大好きだ。愛してる…
いつでも気にかかって、仕方がなかった…
気付けば、お前のことばっか考えてた…
それでも、遊真との約束を守らなきゃって
考えない振りばっかしてた…
あんな風にやり取りするのが好きだったから…
ぶつかり合えるのが楽しかったから…
病室で断っといてなんだけど、結婚して欲しい。
一生共にいたい。
それぐらい大好きなんだ。
全部をさらけ出して、ぶつかり合えるの
秀次しかいないんだ。
2000%素でいられるのも
全部、お前のおかげだったんだ…
だから…
これからは、昔みたいに…
秀次の隣で堂々と居たい…
今更過ぎるかもだけど…
秀次は、こんな私のことが嫌い?』