第20章 異世界からの逃亡者(風月流)
それと同時に感じられたのは…
自分が退院する今まで、心配でたまらなかった念…
ご飯も、心配いらないと解っていた時よりかはマシだったが
今もあまり通らず、あまり寝れていないこと…
熟睡するまでには至っていないこと…
恵土「秀次…
何でっ…;
何で、私のことをこんなにまでっ!;
どうせ、応えることなんて出来ないのに!!;」
秀次「…それでも」
恵土「!」
秀次「それでも…
俺にとっては、欠けてはいけない大事な存在だからだ」
恵土「!!」
秀次「…いつだって、隣に居てくれた。
いつだって、俺の下へ駆けつけてくれた…
いつだって、俺を支えて
どんな闇からでも、即座に助け出してくれた…
今の俺が、こうあるのも…
自棄(やけ)にならないでいられるのも…
全て、あんたのおかげなんだ…」
恵土「秀次…」
秀次「だから俺は…
ずっと、こうしていたかった…
あんたを傍に感じていられるだけで、十分だった…
それでも、あんたは…
玉狛だから…近界民の味方だから…
それで意地を張っていた…
例えそうだとしても、変わらないのにな…
あの時から、恵土は俺の名前を呼んでばかりだった…」
昔↓
秀次「恵土!恵土!!恵土ぉ~!!」
恵土「はいはぁ~い^^
大好きだよ、秀次ぃ~!(微笑&頬ずり」
秀次「僕も恵土が大好き!^^」
即座に駆けつける恵土と、わめき続ける秀次。
現在↓
恵土「秀次!秀次!!秀次ぃ~!!!」
秀次「何で逆転してるんだ?;」
恵土「甘えたいの!大好きなの!
小さい時みたいにやってよ!やらせてよ!解ってぇ~!」
秀次「俺がこっぱずかしいと思っている事ぐらい解れ!!//;(真っ赤」
わめき続ける恵土と、冷や汗を流しながらツッコむ秀次;
秀次「だから恵土…
飯なんて作らなくていい…
あんたさえいれば、何もいらない…
だから…頼む、から……」
恵土「…秀次?」
秀次「…すー」
抱き締めたまま眠る秀次…
それでも、その手は決して離そうとはしなかった…
小さい時、離したくなかった手を…
恵土のために離した…
それをまた、引き戻そうとするかのように…
その朝…
学校に行くまで、離すことはなかったのだった…