第20章 異世界からの逃亡者(風月流)
そんな中、目が覚めた…
気付くと、朝の5時で
すぐに朝ご飯の支度をしようとした中…
気付いた…
秀次が泣いていたことを…
それに手を触れながら…
勝手に、読み取ってしまった…
どんな夢を見ているのか…
小さい時、
『ずっと、ずっと一緒だよ!^^』
そう言った所を見てから
『絶対、帰って来るから(微笑』
そう言いながら、指切りをした後に左手を
秀次の両手からゆっくりと離した所を感じた直後…
ICUの様子がうかがえるようにガラスが張られた場所
その前にあるベンチに座ったまま
夢から覚めたように目が開き、一時呆然となりながらも
立ち上がった…
そして…ICUで、弱々しくなっている恵土を見つめ
ガラスに触れながら…両目から涙を流した…
『ずっと…;
一緒に居るって言ったくせにっ…;
頼むから…
姉さん、恵土を護ってくれ…;
俺は間に合わなかった;
傍に居ながら、姉さんを護ることも出来なかった;
それでも…
恵土だけなんだ…;
頼むからっ;
お願いだから…
恵土を連れていかないでくれっ;
恵土まで、失わさないでくれっ;;
生き延びろ…頼むから;
…死ぬなっ!;;』
両目から涙を零し、膝から崩れ落ちながら…
懇願するように、絞り出すような声で泣きながら叫んでいた…
弱々しい声で、強い願いを込めながら…
そして…
やっと起きた自分と再会し、涙を流し…
それから…
昔のように、笑い合ったこと…
それでも、結婚することを断ったこと…
恵土「…そうだよな…
今更、了承した所で遅いもんな…
とりあえず、先に弁当作るかな」
ガシッ
恵土「!…秀次?」
秀次「…恵土…」
恵土「ちょっ。秀次」
ぐいっ
どさっ
秀次「ずっと…
ずっと、待ってたんだぞ」
ぎゅうう
ベッドへ引きずり込まれながら、抱き締められた…