第20章 異世界からの逃亡者(風月流)
遊真「実は、俺…
再会するまで、恵土のことを忘れていた。
この写真だって、レプリカが渡してくれたものだ。
ヴォルフに見せられるまで、肝心な約束まで忘れていた…」
恵土「そんなこと気にしなくても!」
遊真「…けれど、お前にとっては大事なものだ。
そうだろ?…
あの時、泣きながら喜んでいたんだから…」
その約束とは…
必死に探し回って、それでもいなくて…
それから泣き出したことから、遊真が出てきた時…
とても嬉しそうに泣きながら、抱き締めていた折…
大好きだと、結婚したいと…
自らを想ってくれたことに対し、嬉しかった…
そして、一生ずっと一緒に居たいと思わされていた…
そんな遊真の想いを受け
自分もまた、それに救われたことから…
その約束を受け
『また再会する時まで、絶対に生きよう。
生きて、笑って会おう。
それから…結婚しよう(微笑)
ずっと、共にいられるように^^』
だが…
その後も、不幸は続いていた…
それでも、心の救いとなり
今日という日を拝めているのも…
遊真よりも有吾よりも
母よりも父よりも村の皆よりも…
三門市の、ありとあらゆる全ての人たちよりも…
秀次の存在が、一番でかかった…
恵土「!」
遊真「恵土は、気付いてないみたいだけど…
心を占めている秀次の想いは…
俺の想いよりも、何よりも大きかった…
今までの何よりも、救われていたように見れたし
誰よりも、大事に想っているのが明らかだった…」
恵土「…」
遊真「俺は…
過去のことを思い出して沈んで…
暗い目をしている時…
親父の言う通り、そっとしていることしか出来なかった…
秀次のように、何でもかんでも試して行動して
無理やりにでも、いつもの恵土に戻そうとはしなかった…
それでも…
その後の笑顔を見れば、はっきりしていた…
どっちの笑顔の方が、晴れ晴れとしていて
吹っ切れたような満面の笑みを浮かべているかって言われたら…
秀次の方なんだ。
いつだって、どこへ行ったって…」