第19章 劇(退院祝い)
栞「白霊山に向かう姉でしたが
そこには道も非ず、岩ばかり。
その中には、とがった岩もありました」
岩で傷付き、血を流す姿が見られ
それでも布をちぎって巻きつけて治療するや否や
再び山頂へ向けて駆けだしていた…
栞「それでも、彼女は必死に向かいました。
弟の涙を受け止めながら
自らの想いを乗せ、必死に必死に…」
修「頑張れ…!」
拳を握りながら、思わず応援する中…
やっと、辿り着いた先に居たのは…
「ふむ…ここまでくるものがいるとは…」
凄まじい後光を放つ、一人の人のように見えるものだった…
木虎「!!…あなたは!?」
「我は神…
白霊山に住む、一人の神霊(しんれい)じゃて…」
ひげを触りながら、姿が見えてきた姿に…
一人の人間が驚いた…
修「空閑あああああ!!!!??;」
思わず立ち上がりながら驚く中、三上が状況を説明する。
三上「空閑遊真さん
恵土先輩が劇の神の役を与えたいとのことで」
遊真「ほおほお。面白そうだな(キラン」
って感じで小声で話しながら、舞台裏へと移動し
準備していたのだとか…
修「き、気付かなかった…;
夢中になって見てて、つい;」
そんな中、話は進んでいく…
遊真「ほお。愛犬を生き返らせたいと(キラン」
顎に手を当てながら言う、白い絹に包まれた遊真に対し
木虎「はい!
そのためなら、どんなこともする覚悟です!!
私は…
そのために、死に物狂いでここまで来たんですから!!」
栞「真剣な表情で語られる想い
覚悟を感じ取った神は、一つのことをさせました」
遊真「ふむ。
ならば、今一度確認するが…
愛犬を蘇らせるためになら
何でも言うことを聴くということで間違いないか?」
木虎「はい!!(頷」
遊真「どんな命令でもか?」
木虎「はい!勿論です!!(真剣」
真剣な表情をしたまま、頷く木虎に対し
満足げに頷き、ある命令を下すのだった…