第19章 劇(退院祝い)
それに涙を流しながら…
刃物を落とし、力なく地面にひざをつく緑川…
緑川「うっ;…あっ;
うあああああああああああああっ!!;(涙」
栞「涙を両の目から溢れだしていく中
両手で拳を握り締めながら、地面へ向けて泣き叫ぶ…
愛犬へ
今まで、大事な想い出をくれたことの感謝と
捨ててしまった罪悪感…
互いのためと思いながらもすれ違ってしまったこと…
本当に、互いが互いを愛していたこと…
それでもなお、向けてくれている
その愛犬の『清らかな無償の愛』を感じながら…
今を共に生き延びなければいけないのだという答えを受け止めながら…」
修「うっ;ひっく;(ぼろぼろ」
舞台から目を離せず涙を流す中
遊真はいなくなっていた…
緑川「うっ;うぅっ;」
栞「未だにしゃっくりをあげ
涙を必死にぬぐいながらも止まらず、泣きじゃくり続ける子供…
それに対し、若者は…」
菊地原「…これ、持っていけば?
恵土も、あんたたちのもとに帰りたいと思うから」
栞「亡骸の一部を子供へと託し、帰るようにすすめました。
犬が、小さい頃からずっといた
本当に望んでいた居場所へ…
犬の幸せを…
恵土の幸せを考えて…」
それを受け取りながら
その亡骸へ顔をうずめ、泣きながらも
それを抱えたまま歩いて帰っていく緑川…
栞「そして子供は帰っていきました。
愛犬が帰ることを望んでいた場所へ向けて…
小さい頃から、ずっと共に過ごしていた居場所へ…」
修「うっ;恵土おおおおおお;;;(ぼろぼろ」
緑川より泣いてる;
栞「そして…
家へ帰ると、そこで待っていたのは…」
木虎「駿!
どうだった!?」
家の門の前で待っており、緑川に気付いて駆けつける木虎だった…
修「木虎!?;(汗&驚」
驚きで涙が吹っ飛んだ;