第19章 劇(退院祝い)
菊地原「ダメだ。
お前は野山を駆け回れる。
まだ、生き永らえられるだろ…
ここから動けない僕とは違って…」
栞「そういう若者に対し、犬は
その目をじっと、愛おし気な眼で見つめ」
恵土「…わん」
栞「小さな声で鳴き
横になったまま、刃物を若者へ押し付けました。
少しでもいい。
生き永らえる糧になって欲しい。
そういう想いを込めて…
それに若者は…
決意を決めたように、刃物を持ち…」
菊地原「絶対に、お前の分まで生き永らえるから」
恵土「わん!^^♪(尻尾ぶんぶん」
栞「覚悟を決め、刃物を構える若者に
とても嬉しそうに鳴き…
自ら切り裂かれ、若者に食われました…」
遊真「うむ。最良の選択だな」
修「っ;可愛そうに…;(涙目」
遊真「そんな事で泣くなよ;(汗)
俺たちが食べてる肉だって、そうやってできてるんだから」
そんな中、容赦なく
ずばずばと切り裂き、解剖していく菊地原;
遊真「手際がいいな」
緑川「…(震え」
遊真「どうした?緑川」
栞「そして犬を食べた若者は
まるで、今までの病気が嘘だったみたいに治り
元気になった頃、春がやってきました…
それから後、毛皮だけはその身にまとい
その後に残った死骸を小屋の近くの大きな木の根元に埋め
墓を作っていた時、あるものが襲い掛かってきました」
緑川「トリガーオン!
よくも恵土をおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
修「って、えええええええええええええ!!!??;」
遊真「我慢の限界だったみたいだな」
修「まさかの飛び入り参加!!??;」
栞「若者へ斬りかかる茶髪の子供。
咄嗟に防ぐ若者…
その子供は、若者に殺された犬の
最初の飼い主でした…」
遊真「おお!まさかの急展開!」
修「目が離せないな!(汗」
手に汗握る修だったが…
その時、遊真の後ろに忍び寄る影がいたのだった…
だが、それに気付かぬまま舞台に見入っている二人…
果たして?