第19章 劇(退院祝い)
部屋に設置された舞台が真っ暗になり
一つの映像が映し出された。
栞「昔々
ある所に一人の若者が過ごしており、農業を営んでおりました…」
遊真「お。栞ちゃんの声だ」
修「語り役をしているのか」
そんな中、舞台では
農民の格好をした菊地原がおり…
鍬(くわ)で土を耕していた所であった…
栞「時は享保17年、西暦1732年の夏
梅雨からの長雨が約2か月間にも及び、冷夏をもたらされ
それに伴ってイナゴが増え、稲がダメになってしまいました。
後に言う享保の大飢饉で
餓死者は96万9900人にまでのぼったそうです」
遊真「大変だな」
修「だから畑仕事をしているのか」
そんな中
恵土「わんっ!♪」
栞「そんな時、恵t
おっほん。1匹の柴犬(赤)が、若者の前に現れました。
その当時、あまりもの貧困から犬さえも食べられたという!
さあ、どうなるでしょうか」
遊真「あれ、恵土だよな?」
修「ああ;たぶん;(汗」
恵土「わんわん!くぅん♪(膝元へすり寄る」
菊地原「ん?しっしっ…
お前に食べさせるエサはないって」
栞「若者は忙しさゆえか冷酷にも追い払おうとしましたが」
恵土「わん!(尻尾ふりふり&キラキラ」
菊地原「ついてくるなって…」
たったったっ
栞「犬はついて行きました」
恵土「わん!!♪」
菊地原「離れろって言ってるでしょ!!」
だあああああああああああああああああ
凄まじい勢いで背景が動きながら
栞「時速200kmでどこまでもついていきました」
遊真「凄いな;」
修「本当に走らせてる所が凄い;」
菊地原「ぜえ;ぜえ;
(本当に走らせてどうすんの;」
栞「流石に若者は山中で力尽きました」
恵土「くぅん;」
栞「おっと。
それを見た犬が林の中へ入っていく!」
菊地原「はあ。やっと向こうへ行った(溜息」
栞「と安心したのもつかの間」
恵土「わん!」
菊地原「え?」振り返る
恵土「はっはっ」
栞「なんと!
ここで犬が水を含んだ実をとってきました!
ここで飼わないと男が廃るぞ!どうする!!??」
菊地原「語り役ウザい!」
遊真「なかなか面白いな==(微笑」
修「あ、ああ;
これからどうなるんだろうな;(汗」
(11月20日AM6:07更新、559~565(7ページ))