第19章 劇(退院祝い)
遊真「着いたぞ」
修「あ、ああ」
会話の最中、立ち止まりながら考える修に対し
扉を前に着いたことを示す遊真。
遊真「…そう気負うな。
恵土にばれるぞ?鬼怒田さんに聴いたって。
まあ、幸せを望むのも解るが」
修「…何で、あの人ばかりがあんな目に!;」
遊真「だから今幸せだって言ってるだろ?」
修「え」
遊真「俺たちと会えて、今こうすることができて…
本当に幸せだって、病室でも言ってたぞ?
実は…夢の中で、ヴォルフに先導されて
恵土の過去を見せてもらったんだ…
それでも恵土は、それを知っているはずなのに
聴かなかった…
だから俺は聴いたんだ。
「なんで、勝手に過去を聴いたのに
そういう風に、今まで通りに向き合えるんだ?
全部見えて、気味悪がられて居場所をなくして
そういう過去まで、勝手に見たのに…」って…
そしたら…
『それでも、遊真なら
それごと受け入れてくれるだろ?
秀次も蒼也も皆聴いてくれた。
私が歩いてきた道が、そうだとしても…
どれだけ険しかったとしても…
私は今、本当に幸せで一杯なんだ!^^』って返してくれた」
修「…」
遊真「確かに1人じゃ辛いし
抱え込んでは縮み込んで、ふさぎ込むばかりだ。
それでも…
今はもう、拒絶されてばかりの過去じゃない。
そんな風に考えてくれている人が一人でもいるだけで
それを向き合った時に感じられるだけで…
本当に幸せだって言ってたからな^^
修がそう考えてくれているだけで
それだけで、本当に心が救われているんだ。
ま、恵土のことだから
その手間に関して少し心苦しいっていうかもだが
それでも…
それごと、本当に幸せそうだったからな^^
心を開いて向き合える人に出会えたって(微笑」
修「!
(そうか。…だから空閑はそんなに気負うなって)
…っ;(なのに、僕は…っ)
僕は、何だってこうなんだろうな…;
本当に苦しんでいるのは、恵土先輩なのにっ;(涙」
遊真「泣くなよ。
これから会うのにおかしいって思われるだろ?
元気出していこうぜ!相棒^^b」
修「…ああ!ありがとう、空閑(微笑」
涙をぬぐいながら入っていく…
会いたい人が待っている場所へ…
(11月19日AM5:40更新、552~558(7ページ))