第19章 劇(退院祝い)
そうして役者はそろった!
いざ…時代劇へ!!
修「わざわざ呼ばれるって、一体なんだろう?;」
遊真「ふむ。何かあったんじゃないのか?
恵土の過去だって解っただろ?」
修「うん…
あんなことがあったら、人なんて信じられなくなるよな;」
遊真「それに、目に見えているものも聞こえているものも
普通の人とは違うらしいしな。
内面のものまで見える上に聴こえるし
超感覚ってのが鋭く感じさせて、視覚や聴覚に影響を与える。
生まれた時から
生死を問わず、過去や背負ってるものまで
人と向き合っただけで全部見えるらしいし。
今は感じ取るっていう程度に抑えこめているらしいが
大変だな、わざわざ抑えるのも」
修「…その上、あの2年半
僕らと同じような派閥の人たちが、本部の人たちに殺されて
何度も失ってばっかりで…」
遊真「なんで聴いた時泣いてたんだ?」
修「そりゃ…まあ…;
どんな気持ちで、人と向き合っていたんだろう…
向き合っただけで、相手の全てが見えるのに…
人格とか内面とか、第六感で見えている中
本心で望まれてないのまで感じたりしていながら…」
遊真「だからエンジニアとして引きこもってたんだろ?
秀次といる時だけ、すっごく嬉しそうだったしな。
陽介先輩のあの槍だって
恵土が当時に使ってたのを譲り受けたものらしいし」
修「…人ってものが
解らないからいいということもあるんだな…
向き合っただけで、全てわかってしまって
だからできない、苦しませたくない…
何で恵土先輩は教えてくれなかったんだ!
水臭いじゃないか」
遊真「そりゃ、そうなるのが解ってたからだろ?」
修「え…」
遊真「恵土の場合、それで言われた人が
自分のことを考えてくれるって解るんだ。
その分、苦しんでしまう。
一緒に苦しんで乗り越えればいいと言われればそれまでだけど
恵土の場合は、ただでさえ生きているだけで苦しいのに
それを上乗せになんてしたくない。
理解しようとしてくれている。理解してくれた。
そんな理解者だって感じているから…
恵土は、誰にも言わず押し黙ったままなんだと思うぞ?」
修「…それでも…それでも、僕は…
少しでもいいから…支えになりたい…
大丈夫だ!って
頑張れ!って、励ましてくれたあの時みたいに…」
廊下での会話の中、ついた