第19章 劇(退院祝い)
その前に
入院状況から退院に至るまでの経緯
菊地原「そうそう。
恵土先輩が救急として入る前に入った患者さんで
同じ血液型で、輸血が無くなるほど要した人
もう一週間前に退院したらしいですよ」
恵土「よかったよかった^^♪」
菊地原「下手したら恵土先輩が死んでたんですが;」
風間「整理してみると、このようになりますね」
そう言いながら整理したものが手渡された。
~1月14日~
左肺下葉損傷
左脇腹上部から胸の中央へ向けて
長さ8cm、深さ5cm、幅2.5cm。
左肩亜脱臼
出血量が血液の全体量の半分、3.15L
前に運ばれて救急の患者に輸血を用いて使い切り
センターへ発注した後だったが届いていなかった。
急を要していたため、5人の進言のもと400mLずつとり
計2000mLを手術開始時から5時間かけて投与。
それでも足りない分は
生理食塩水や酢酸リンゲルと言う細胞外液で補い
鉄剤や造血剤を使ったとのこと。
運ばれた当初は肺内に血がたまってはいなかったが
空気はたまっており、呼吸困難状態にあった。
心肺停止に5分もの間、何回も繰り返すが
最後には空閑遊真の助力によって心臓が動き出し
~1月15日~
山は越えたものの
人工呼吸器、胸腔ドレーン、モニター類などの機器が体に付けられ
肺挫傷、血気胸、呼吸不全、意識不明など。
運ばれた時点では出血が収まっていたが
心臓を動かす際に衝撃が伝わって、再び出血が。
出血量が全体量の半分、3.15Lと多かったため
血小板による止血も、普通よりも遅くなっており
肺からの出血が止まりきらずにいる。
いつ意識や自発呼吸が戻るかもわからない。
自力で動いているものは心臓のみ。
呼吸器がなければ、呼吸も一人の力では出来ない状態。
意識がないため薬の投与が注射となり
何本もの管と、何本もの点滴と、何本ものモニターに繋がれている。
一度、心臓が止まりかけた。