第17章 助けとしがらみ
それから…
東「…どう収集つけますか?これ」
風間「恵土がどうにかするだろう」
そういう中、今の状況を整理すると…
秀次「イライライライライラ)…」
恵土「う~ん;(窒息しかけて目が回っている」
木虎「大丈夫ですか?;恵土先輩」
菊地原「そういうことばっか言うからですよ。
不謹慎な発言バッカ」
恵土「お前には言われたくない;」
そんなこんなで…
テレパシーで伝わってきた光景があった…
本当は、泣きたかった
(目の前に広がるのは…
当時、あの日から目に焼き付いたままの血の海と
あの日の晩に浮かぶ、未だに燃え盛る炎と満月…)
誰かに、聞いて欲しかった
(小さい時、必死に
涙ながらにでも、声を詰まらせながらも叫んで走る姿…
何度も名を呼んで叫んでも、誰もいず
超感覚で皆が殺された場面と、それまでの記憶が一気に入ってくるだけだった)
それでも…
嫌な思いを、味あわせたくなんかはなかった…
(その後も…
人前では辛くもいながら、笑う姿…)
だから…
切り捨てていくしか、方法が思い浮かばなかった
(最後まで走り抜いて最後に辿り着いた
ご神木の前で、涙ながらに何度も謝り…
それごと自分自身を切り捨てようとする姿…)
その想いでさえも…
(広い家の中、一人でひざまずく恵土…)
そうして…
笑顔で居れれば、相手も笑ってくれて…
(笑うと…
相手も、笑顔になってくれて…
それに対し
とてもたまらなく、さらに嬉しそうに微笑む恵土…)
それが…
私にとっての光明だったんだ
(相手の笑顔が、明るく眩く見えていた…)
だから…
それが、大好きだから…
(それに目を奪われ、思わず笑顔が浮かんでいた…)
それ全部が、私の全てだったから…
(笑っていて欲しい…
幸せでいて欲しい…
そんな切実な願いと共に…
また、満面の笑顔を見せる恵土…)
そんなこともまた、皆に伝えた…
ずっと…
そう思って、今まで生きてきた事も…
今までの、押さえ込み続けてきた想いも…
無視し続けてきた…
泣き狂い、崩れていく過去の自分も…
(ただ一人、広い暗闇の中…
泣きじゃくる恵土が見える…)