第17章 助けとしがらみ
謝り続けるしか出来なかった…
それ以外、何も出来なかった…
どれだけ涙を零そうとも…
どれだけ想いを紡ごうとも…
どれだけ泣き叫ぼうとも…
何も返ってこない中…
結局の所、家のあった場所へと帰っていた…
そして分かったのが…
自分が要因だったこと…
自分を狙って、そういうことに至ったのだということ…
恵土「…私はさ…
『どうせ、拒絶するんだろ』
『解ってるよ…
理解者なんて、二度と現れるわけなんかないって事ぐらいは!!』
…あんな思い、抱きながら生きるのは辛いって解ってる…
それでも…
そうしないといけなかった…
その現実が、そう物語っていたから…
言わなくとも、それだけは確かだったから…
…それで結局…
有吾に救われてから、半年後…
2年4か月を、一人で過ごしたけれど…
結果は、言わずもがな…
さっき言った通り…
望む場所もなく、非難され続けて終わりだ…
って私も同じか(苦笑)
あいつの点に関しては、嫌ってほど言ってたわけだし」
(170~173ページ参照)
風間「そんなことはありませんよ」
恵土「…え?」
風間「非難や悪口は
悪い点を挙げて、それだけで終わりです。
けれど、恵土先輩の場合は
悪い点を挙げるだけでなく、なぜどのように悪いのかまで考えている。
そして、その上で未来へ繋げるために
これからの人生に生かすために、責任を持って言葉にして言っている。
ただ悪い点を挙げて、ののしるようなクズとは違います。
その程度なら、幼稚園児にでも出来ます。
しかし、そこまで考えて
責任を持って話すことは、大人ぐらいしか出来ません。
少なくとも、あなたは面と向かい合って言う方だ。
信頼するに値する人だと思いますよ」
菊地原「まあ、それ以前に隠し事できませんしね」
風間の言葉につけたすように言われた言葉
それらは、深く胸に突き刺さった…