第17章 助けとしがらみ
黒髪で赤い目の幼い遊真と
黒髪で焦げ茶色の目をした幼い恵土が
互いに笑い合い、満面の笑みを浮かべた写真があった…
緑川「立ち入る隙なんて、13年前からなかったってことか…(ぼそ」
遊真「?何か言ったか?」
緑川「ううん^^(首を横に振る)
(勝ち目がないわけだ…(苦笑」
そう緑川が思う中…
同様に思っている人たちもまたいたわけで…
秀次「…(最初から、言ってくれていれば…」
恵土「今だって、救われているんだ…
血が怖いって、あの8歳の誕生日のことがあってから
手についた血から超感覚で、殺される場面が全部浮かんできて…
村の皆に死に際が、一瞬で頭の中で反芻されて…
それ以来、人の血を見るのが嫌いになってた…
それでも…
遊真が、そんなトラウマから助け出してくれた…(微笑)
『それよりも怖いものってなんだ?
失ったことの方が、何よりも辛かったんじゃないのか?』って…
『それでも、それごと愛してくれているのは間違いないだろ?
だから…そんな風に自分を責め続けるなよ。
きっと、こういうはずだろ?
『それごと愛してる』って^^』
…そのおかげで、どれだけ血を見ようが大丈夫になった(微笑)
真っ直ぐ向き合って、ぶつかってくれる…
一緒に考えて、乗り越えられるように支えてくれる…
そんな遊真が、大好きで仕方がないんだ^^」
そう言いながら、両目から涙がこぼれ落ちていた…
恵土「でもさ…
村の皆を失ってから、信じられなくて必死に走り回ってた時…
建物から、感じ取れたんだ…
一部の人たちからは、拒絶されていたことに…
それでも…一部分ずつだった……
そのはずだった…
けれど、全部渡り終える頃には…
絶望以外、何も感じなくなっていた…
ご神木では…
笑顔が満ち溢れ、囲われながら遊ぶ子供の姿が宿っていて…」
『私が…全て、奪ったんだ…
がくっ(ひざまずく)
私が……(土ごと、拳を握り締める)
うっ…;
うああああああああああああああああああああああ!!;;』
涙と共に、深い絶望と
全て自分のせいだと責める、罪悪感…
それらによって、溢れだし続ける涙と想いがあった…