第17章 助けとしがらみ
恵土「…そんな中、遊真と会ったんだ…
有吾とも再会して…天国みたいだった…
あぁいうのが日常だっただけに…本当に……」
菊地原「まあ、あんなのが日常だったら死んでますね」
風間「やめろ。不謹慎な」
ごすっ(風間が肘で小突く)
菊地原「いてて;」
恵土「気にしないでいいよ。
実際、その通りだった…
その当時の私には、死にたいって思いしかなかったから…
ただ、白帝から感じられる
村の皆の『愛している』とか『生きて欲しい』って想いだけが
私を生かし続けてくれていただけだったし…
そういうのが、何年も続いた後だからこそ…
私は、遊真の存在がとても支えになったんだ…
純粋に私と向き合ってくれた…
大事にしてくれた…」
そんな中、
まだ幼い遊真(当時2歳)が、笑いかけてくれた場面が浮かぶ…
そして…
気付かぬうちに、涙を流していた…
恵土「微笑)…本当に、嬉しかった…
今までがそうだったらからこそ、余計に…;(涙」
秀次「!…だから…ああいったのか…」
『近界民だから殺すとか
近界民だからって差別してたら
それこそ、私にあぁいう風にしてきた人達と同じになる!
そんなの嫌なんだよ!!』
遠い昔にも、南東へ向かう際にでも…
同じようなことを言われたことを、秀次は思い出していた…
解っていても、それでも許せず反発し続けていた…
恵土「だからさ…
遊真となら、何でも乗り越えていける。
どうなっても構わないって、本気で思った…
遊真が結婚したいって言ってくれて
実際の所、私もそうで…
今でも、覚えてくれていた…
当時の写真を、大事に持ってくれていた(微笑」
そんな頃、病院内の店で…
緑川「?何、その写真」
遊真「ん?幼い俺と恵土の絆だ^^」
緑川「ふぅん…幸せそうに笑ってる(微笑」
遊真「そりゃまあ…
あんな風な目に遭い続けた後だったからな(微笑)
本当に救われたって言ってくれたし^^
俺も救われたと思ってるぞ、恵土の存在に^^」
緑川「へえ…
(二人の絆って、はた目から見れば
たった半年だけに見えても…本当に深いんだ(微笑」
その想いは、昔から通じ合っていたものだった…